オグリキャップをもう一度

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プリンセスは素敵な母へと

最近、南関東所縁の血統の馬が活躍しています。

JRAから南関東へ転入し、報知グランプリカップ交流重賞でもあるマリーンカップを勝ったサルサディオーネの母は、的場文男騎手などを乗せて活躍したサルサクイーン。クラシックトライアル、京浜盃と連勝し、南関東クラシックの主役に躍り出たブラヴールの母は、石崎隆之騎手を背に南関東牝馬三冠を達成したチャームアスリープ桜花賞を勝ったアクアリーブルは、南関東牝馬二冠馬アスカリーブル唯一の産駒。そして、昨日佐賀スプリングカップを勝ち、8歳にして再び連勝街道をひた走るキングプライドは、南関東、佐賀・荒尾で活躍したアイディアルクインの仔。

母馬の活躍を見てきた自分としては、うれしさとともに、懐かしさもこみ上げます。

今あがった母馬には、共通点があります。それは、東京プリンセス賞で連対したこと。

明日は、その東京プリンセス賞

母アスカリーブルが出られなかった桜花賞を勝ち、親子合わせて牝馬三冠を達成したアクアリーブルが、母娘制覇を果たすか。それとも、2歳女王レイチェルウーズが桜花賞の雪辱を果たすか。その他にも魅力的な馬がたくさん出走します。

勝利して、プリンセスの座につくのはどの馬か。楽しみです。

そして、今回走った馬が、その後も活躍し、無事に繁殖に上がり、その仔も活躍してくれたら、と願います。

血統でみた皐月賞

土曜日は大雨。泥んこ馬場で、芝は前にいなければ勝てないような状態でした。

明けて晴れの日曜日。路盤改修によって排水がかなり良くなった中山競馬場皐月賞が始まるまでに稍重まで回復しました。

路盤改修以降の皐月賞は、基本的に2分を切るスピード決着なのですが、稍重のときは2分以上かかるタフな決着になっていました。そして、その時勝ったのがステイゴールド系のエポカドーロ(父オルフェーヴル)。路盤改修前とはいえ稍重のときステイゴールド産駒のゴールドシップが勝ったように、小回り中山でタフな馬場になると、機動力と持続力に自信のあるステイゴールド系が強い、というのがありました。

なら今年は唯一のステイゴールド系ヴェルトライゼンデに注目してみたのですが、機動力の良さを活かせず。

結果的に力勝負となった印象を受けました。

 

勝ったのはコントレイル。直線でサリオスとの「無敗のG1馬」対決を制してのもの。正直、自分の想像を上回る強さでした。

ディープインパクト×母父Unbridled's Songは相性のいい組み合わせ。これまでもダノンプラチナなど活躍馬を輩出しているうえに、今年の3歳馬でいえば5頭中4頭が新馬勝ち、2頭が重賞ウイナーという好打率。ポイントはディープインパクトのキレの源であるSir IverとUnbridled's Songのスピードとパワーの源となっているCequillo、Incantationのニアリークロス(Princequillo、mahmoud、Man o' War、Sir gallahad=Margueritate Valois=Bull Dogが共通)にあると思っています。特に、Bull Dogの血が入っていることで、北米的なスピードの持続力を豊富に得ているのだと思われます。

結果的にディープインパクト産駒の欠点である非力さと、Unbridled's Songにやや欠けている俊敏さが補える関係になって、うまくいっている。実際、コントレイルの馬体は筋肉質だけど、ディープらしい俊敏さもありますから。

ただ、切れるし伸びるけど、やや淡白で競り合いに弱い懸念がありました。

それが、サリオスとのたたき合いを制するのだから、想像以上としか言いようがありません。

しかも、外を捲ってのもの。馬場が回復したとはいえ、やはりタフなコンディション。長く脚を使って追い上げたら最後は失速してもよさそうなのに、まったくそんな素振りはありませんでした。

間違いなく東京優駿でも有力馬の筆頭になるでしょう。不安があるとすれば2400mの距離ですかね。ただ。例年のような高速馬場なら持つと思われます。

無敗の二冠馬達成の可能性は高そうです。

 

2着だったサリオスは慎重に上手にレースを進めたと思います。

4角で先頭に並び、やってきたコントレイルと併せて粘り切る。馬場がいいところを走らせることもあって、併せに行った判断自体は間違いではないと思います。しかし、コントレイルが想像以上に強かった。

この馬自身はハーツクライ産駒ですが、どちらかといえば母サロミナの影響が大きい気がします。馬体が大きい割には器用で、ハーツクライのような緩さがない。持続的に伸びる脚はハーツクライ産駒にもありますが、その質がドイツ的な固い感じを受けます。

そういう意味では、結果論ですが、もっと早くに抜け出したほうが良かったと思います。

東京優駿でも有力視されると思いますが、ハーツクライ産駒とはいえ、遺伝子的には短距離型らしいので、そこがどうなるか。むしろ、NHKマイルカップの方がいい結果が出る可能性もあります。

 

父エピファネイア×母父キングカメハメハはニックスなんでしょうね

「stay home」で密を避けながら過ごさないといけない今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。

新型コロナウイルス禍の世界ですが、世の中の産業を止めてはいけないため、競馬は続きます。お家で競馬。テレビとネットがあれば、全国の競馬が見られる時代です。そんなわけで、私は暇な時間競馬を見ている生活をしております。これも仕事ですから(言い訳)。

 

雨の中で行われたJRA桜花賞。雨を切り裂いて差し切り勝ちを収めたのはデアリングタクトでした。

デビューから3連勝での桜花賞制覇。新星の誕生に競馬界は沸きました。

そのデアリングタクトの血統は、タイトルにあるように「父エピファネイア×母父キングカメハメハ」というもの。この組み合わせは他にもスカイグルーヴ(京成杯2着)やイズジョーノキセキ(忘れな草賞2着)、ヒバリ(オープン級)等がいるうえ、デビューした11頭中勝ったのが7頭。気づいている人もいるでしょうけど、ニックスと言っていいでしょう。

特徴的なのが牝馬が活躍しているということ。デアリングタクトもそうですし、前述のスカイグルーヴもイズジョーノキセキもヒバリも牝馬です。牝馬に限るとデビュー7頭のうち勝ちあがったのは6頭。しかも、桜花賞馬を含むという。これは驚異的なことだと思います。

 

もとからエピファネイアキングカメハメハはニックスではないかと言われていました。そもそもエピファネイアの母シーザリオキングカメハメハ系の相性はいいですから。その理由はSadler's WellsとNureyevのニアリークロスやマルゼンスキートライマイベストのニアリークロスなどによるものだというのはよく言われていることです。

ただ、こうも牝馬に偏っているのはどういうことでしょうか。特に、牝馬の活躍馬が出にくいと言われていたRoberto系のエピファネイアでそのような結果が出ているのは注目に値することだと思います。

理由の一つは、牝馬の方が仕上がりが早く、身体の緩さをしなやかさに転化できる、ということだと思います。おそらくエピファネイアは使われて良くなっていくタイプの種牡馬。しかも、緩さが出やすいキンカメの血が加わるとなると、3歳の春という時期だとまだ身体が出来上がっていない馬もいる。だけど、牝馬ならその欠点は出にくい。

もう一つは、シーザリオという牝馬の血を活性化させるからだと思われます。エピファネイア以外にもリオンディーズやサートゥルナーリアの母としても有名なシーザリオ。自身も日米芝のオークスを勝つ名牝でもありました。エピファネイアにしろリオンディーズにしろサートゥルナーリアにしろ、いかにもシーザリオの血を受け継いでいるという気性をしていました。その血が牝馬の活躍を導いているのではないでしょうか。

 

なお、加えてサンデーサイレンスの4×3クロスの有効性も指摘されてはいます。ただ、デビューした母父キンカメ牝馬7頭のうちサンデーの4×3クロスを持っている馬は6頭と、殆ど。活躍しているイズジョーノキセキはサンデーのクロスを持っていないのだから、必須ではないと思っています。まあ、あってマイナスではないと思いますが。

むしろ気になるのは、デアリングタクトとイズジョーノキセキがDanzig持ちだということ。早い時期からしっかりとしたスピードを持たせるのに有効なのかもしれません。そもそも現在の世界的Northern Dancer系の流行はSadler's WellsとDanzigによるものですから、その2頭を経由してのNorthern Dancerのクロスは互いの良さを引き出すのかもしれませんね。

 

まあ、ある程度エピファネイアキングカメハメハのニックスは予想できたいたので、昨年の今頃は「レッドブロンクス(父エピファネイア母父キングカメハメハの牡馬)が活躍する」なんて言っていたんですけどね。総論成功各論失敗の典型例です。

それでも、唯一父エピファネイア×母父キングカメハメハの牡馬で勝っているのだから、いい方か。

今、競馬が行われる意義 ~世界がいつかまた、騒がしくありますように。~

新型コロナウイルス感染症防止のため、緊急事態宣言が発せられた日本。

それでも、無観客ではあるものの、競馬は開催が続く決断をした。実際、私の事務所所在地の品川区にある大井競馬場は本日も競馬が行われている。

競馬好きとしては、この決断に感謝しかない。

 

ただ、一部では開催続投に疑問の声があるのも事実だ。多くのイベントが中止となっているのに競馬はやっていていいのか、おかしくないのか、と。

そうした声の根底にあるのは「そもそも競馬はギャンブルであり、けしからん」という思いだろう(今回の場合はそうでない人もいるだろうけど)。

 

確かに、競馬はいろいろな側面があるにせよ、ギャンブルである。そして、ギャンブルというのは基本的に違法である。だから、競馬を行う根拠として、競馬法というのが定められている。

法律の1条には趣旨・目的が定められているのが通常であるところ、競馬法の1条は以下のようになっている。

「この法律は、馬の改良増殖その他畜産の振興に寄与するとともに、地方財政の改善を図るために行う競馬に関し規定するものとする。」

つまり、競馬の目的というのは

①馬の改良増殖その他畜産の振興と

地方財政の改善

にあるということになる。

新型コロナウイルスで様々なイベントや営業が中止となっている中、競馬がなお続けられている意義も、この目的にあると思われる。

すなわち、競馬の特色というのは、人だけでなく、馬が重要な役割を担っている点にある。人ならばさまざまな職に就くことができるし、仕事ができないなった場合でも補償をすれば暮らすことはできるかもしれない。

しかし、競走馬は走ることに存在意義がある。レースがなければ持て余してしまうことになる。そして、その馬に携わる人はたくさんいて、その人たちの生活もかかっている。特に、畜産業である牧場主にとっては馬の生産が無意味なものになってしまっては、廃業の危機となってしまう。

畜産業というのは、国の重要な産業の一つだ。そして、いったん衰退してしまったら、生き物を扱っている以上、回復するのが困難である。

畜産の振興のためにも、競馬は続かなければいけない。

 

そして、競馬のもう一つの目的が、地方財政の改善だ。

新型コロナウイルスの影響もあって、経済は停滞している。しかし、生活を守るための補償もなされなくてはいけない。そうすると、うまく経済を回さなくてはいけない。

競馬は売得金の一部が国に納付される。競馬も立派な経済活動であり、国家財政に貢献している行為なのだ。

こういった時だからこそ、競馬の収益というのは役に立つのだ。

 

とはいえ、目的があれば何でもやっていいわけではない。あくまで新型コロナウイルスの感染防止策が採られていなければならない。

その点競馬は、そもそも屋外で行われるものであり、無観客で行うならばいわゆる「三密」の危険は少ない。

購入者側は電話投票・ネット投票で購入することができる。映像面でも少なくとも地方競馬は無料のネットでリアル配信がなされているし、JRAも普段は有料のグリーンチャンネル競馬中継を無料で見られる措置をとっている。グリーンチャンネルが映らないところでも、ラジオNIKKEI等で聞くことはできる。「stay home」で楽しめる環境は整っている。

競馬を開催する側もしっかりと感染防止対策を採っている。JRAは騎手等の移動制限の措置も打ち出した。

競馬界は一丸となって新型コロナウイルス感染防止対策をしている。

 

競馬界の第一人者、武豊騎手は現在の状況についてこのようなメッセージを発している。

競馬は大事な娯楽で、今は自宅でもテレビ、ラジオなどを通じて楽しんでいただけています。そのためにも競馬を提供していかなければならないという気持ちを強く持っています。我々、騎手だけでなく、競馬人の皆がそう思っています。こういう状況だからこそ、安全確保に努め、続けていかなければと思っています。また競馬の売得金の一部を国に納付させていただいているし、そういった面からも今こそ競馬の存在意義を感じています

 ひょっとしたら「こんな時に娯楽なんて」という人がいる人がいるかもしれない。だけど、娯楽がまったくない世界であっていいのだろうか。とても味気のない世界になってしまうのではないか。

だからこそ、新型コロナウイルス感染防止策が採られているならば、娯楽であっても、いや、娯楽だからこそ、続いてもいいのではないか。大変な日常の楽しみになるのなら。

 

大井競馬は新年度の始まりに、新聞でこのような全面広告を出した。

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無観客のスタンドに、下に大きく「世界がいつかまた、騒がしくありますように。」の文字。あえて「騒がしく」というややよくない意味合いも含まれる言葉を使ったのは、競馬の熱狂さを表せるからだと思う。うまへんでもあるし。それに、自粛ムードが解消されたのを表すのにふさわしいからだと思う。

競馬界は、今の状況が収束するのを心から願っている。

自分もこの広告を見て、改めて思った。

一刻も早い新型コロナウイルスの収束を願うとともに、世界がいつかまた、騒がしくありますように。

こんな事態だからこそ、競馬は続かなくてはならない。

デスティネの牝系に関する思い出

南関東クラシックへのステップレースの一つでもあるブルーバードカップ。今年制したのは、デスティネでした。

タイミングよく上がって行っての差し切り勝ち。

前走クラシックトライアルでは、その後京浜盃を勝ったブラヴールの2着でしたから、これは本番でも楽しみです。

そんなデスティネの血統表を見て「シャダイアグリー」と書いてあるのに気づきました。あぁ、この牝系なのか。懐かしい思い出とともに、一頭の馬のことが脳裏によみがえりました。

これは、個人的な話になってしまうのですけども、ただ、自分が競馬を好きになった原因の一つともいえるので、ちょっと記してみようと思います。

 

「これぞ女イブキマイカグラ

社台から送られてきたカタログにそう書いてあったことを覚えています。ダイナアグリーの1990、のちにデイリープラネットと名付けられる馬でした。

当時、自分の父親は社台サラブレッドクラブの一口会員をやっていました。自分が競馬好きになったのは、そういう環境にあったからだと言えます。

オグリキャップがもたらした空前の競馬ブームから少し経ったくらいのときでしょうか、自分がJRAの競馬をよく見ていたのはこの時期だったと思います。

そういうわけで、自分も社台のカタログをよく見ていましたし、きれいな馬体をしたデイリープラネットを気に入りました。カタログにあった「女イブキマイカグラ」という文句にも惹かれ、一口出資。

今とは違って関東の人が関西の平場のレースを知ることが難しかった時代、小倉で行われた新馬戦を聞こえの悪い短波放送で聞き、鮮やかに抜け出して勝ったのを喜んだ思い出(その時乗っていた日吉騎手に、その後会う機会があって、デイリープラネットのことを話せたのも何かの縁でした)。

続く小倉3歳Sでは3番人気に。そこでゲート入りの際に他馬が暴れるなどあって馬ごみが苦手になってしまいましたが、能力は重賞級だったと今でも思っています。

桜花賞での抽選すっ飛ばされた事件などもあって、いい思い出も苦い思い出もあった馬。それがデイリープラネットでした。

そのデイリープラネットの母は、先ほど書きましたように、ダイナアグリー。そして、ダイアナグリーの母がシャダイアグリーでした。そういうわけで、この牝系には思い入れがあります。

 

デスティネの祖母ダイナサフランは、ダイナアグリーと同じ父ノーザンテースト×母シャダイアグリー。

デイリープラネットの系譜は途切れてしまいましたが、それと類似の血が残るのは、シャダイアグリーの牝系が頑張っているのは、励みになります。

 

自分の思い入れのある血統の馬が走って喜ぶのも、競馬の魅力の一つ。

デスティネには今後もクラシック戦線で頑張ってほしいです。

トキノノゾミがたんぽぽ賞を勝ったことで考えるいくつかのこと

前回のブログで書いたブラヴールが京浜盃も制覇。

keiba-gyoseisyoshi.hatenablog.com

南関東競馬所縁の血統馬が同じ舞台で活躍するのって、いいですよね。「競馬は血統のロマン」といわれる意味がよくわかります。

 

さて、今回の本題へ。

ネタとしては2月の出来事なので、古くなってはいますが、いろいろと勉強になるところがありましたので。

2月27日、佐賀競馬場JRA交流たんぽぽ賞が行われ、川崎の八木正喜厩舎所属のトキノノゾミが優勝しました。同レースは九州産の馬限定の競走で、地方勢が勝つのは14年ぶりという快挙でした。

もちろん、14年ぶりに地方勢が勝ったというのも大きな出来事に違いありません。

ただ、それだけでなく、トキノノゾミが勝ったというのは、九州の馬産地全体で考えて象徴的なことだったと思われるのです。

 

①そもそもこの血統の馬が九州産でいたのか

フリオーソ×母父ゴールドアリュール。個人的にニックス配合だと思う上に、客観的にもダート競馬で考えたらなかなかいい血統。全兄ステラライトは黒潮盃にも出走したくらいの活躍馬でしたし、なにしろ「華麗なる一族」であるイツトーの牝系。

母プラチナアリュールを購入した田上勝雄さんの決断は、なかなかのものだったと思います。

古くは火山性の牧草に適した地帯であったことから馬の生産に向いていた宮崎県ですが、近年は牧場の数も生産数も施設も圧倒的な北海道に押され、衰退気味。

それでも、少しでも強い馬をつくろうという心意気は持ち続けているという印象を受けました。

 

九州産馬でも1000万円以上で落札された

トキノノゾミはJRAブリーズアップセールで1100万円で落札されました。これは、一般的に北海道産の馬より力が劣るといわれている九州産の馬では異例の価格です。

そうなると、購入代金を回収するのは困難なのでは、と常識的には考えられます。

しかし、たんぽぽ賞を勝ったことによって、獲得賞金は1202万円に。諸経費等を考えれば完全に回収したことにはなりませんが、購入代金以上の賞金は稼いだことになります。

 

南関東に入った

トキノノゾミが今までの九州産と違うのは、血統面もありますが、南関東に入れたということにあると思います。

基本的に九州産馬は九州に競馬場のあるJRA佐賀競馬に入ることが多いです。

JRAに入れば、九州産馬限定のひまわり賞とこのたんぽぽ賞を勝てば、3000万円近く稼ぐことは可能です。ただ、厩舎への預託料は地方よりも高く、諸経費はかかります。そのうえ、JRAで3000万円も稼ぐと以降のレースは強敵ぞろいとなってしまい、よほどの強さを持った馬でないと大敗続きで賞金が入らなくなってしまいます。

かといって、佐賀競馬所属ですと賞金が安い。たんぽぽ賞を勝てばかなりの賞金を手に入れることができますが、ずっとJRA勢に勝てなかったことからわかるように、施設の面で難しいのも事実です。

しかし、南関東なら佐賀よりは諸経費が掛かるものの、JRAより格安で馬を預けることができます。また、賞金もJRAほどでないにしても、そこそこあります。たんぽぽ賞を勝ってクラスが上がったとしても、ある程度血統がよくたんぽぽ賞を勝てるレベルにある馬なら、その後も入着、場合によっては勝つことも可能だと思われます。

 

そうすると、「あえて九州産の馬を狙う」という戦略もありなのかもしれません。

確かに今回は受胎していた母馬が九州に移って産んだ仔という特殊ケースではありますが、今後もそのケースには注目しないといけないと思います。

 

ちなみに、たんぽぽ賞2着馬ウィンウィンボルトは道営デビュー後佐賀に移籍した馬。ホッカイドウ競馬は2歳の早い時期から走らせることができるうえに、育成施設も充実しており、そこで鍛えて転入というのは昔から多くありました。輸送費等かかりますが、メリットも多いと思います。

 

JRAでは青森県産のミライヘノツバサが重賞のダイヤモンドSを勝ったように、北海道以外の場所で生産された馬の活躍が目立っています。

このような掘り出し物を見つけるのも馬主生活の醍醐味かもしれませんね。

夢の血統がクラシックへと駒を進める

「言わずもがな夢の血統」

日刊競馬吉川彰彦さんの言葉を借りるとそうなる。ブラヴールのことだ。

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ブラヴールの血統(出典:netkeiba)

父セレンは弾ける末脚で東京記念など南関東の重賞を4勝した馬。母チャームアスリープ南関東牝馬三冠馬。ともに村田牧場の生産で、山口美樹さんが馬主となり、佐藤賢二厩舎に入り、石崎隆之騎手を背に南関東で活躍した。

だからこそできた「夢の血統」なのである。

 

 

新馬を勝った後は不利などもあって2着続きだった同馬。

クラシックトライアルでこれまでのうっ憤を晴らすかのように快勝。これでクラシック出走の権利を得ることができた。

 

両親に似た美しい栗毛。父のような弾ける末脚。母のような迫力のある走り。

南関東競馬のファンなら、やはり夢を見てしまう。

南関東所縁の血統で、南関東のクラシックを制する。前年の東京ダービーでのヒカリオーソ(父フリオーソ)もそうであるが、そんな馬が増えれば南関東競馬はもっと盛り上がる。南関東競馬ファンが増える。

 

ブラヴール自身はまだまだ成長しそうな馬体。

クラシックでどんな走りを見せるか、楽しみである。