オグリキャップをもう一度

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モジアナフレイバーは東京大賞典で金星をあげられるだろうか

前回のブログで「モジアナフレイバー」について書くと言ってしまったので、今回はそちらを。

それにしても、遅筆のため、その間に書きたいことが増えて書けなくなるという…。

愚痴はこれくらいにして、本題へ。

 

モジアナフレイバーが勝った勝島王冠の内容は、凄味すら感じるものだった。ノンコノユメサウンドトゥルーといったG1級勝ち馬相手に完勝。上り3Fは36秒台を計測した。

もとより将来を期待されてきた同馬。じわじわと距離を伸ばし、大事に使われながらの3歳時。まだ体が緩く、完成していない時点でクラシックでも差のない競馬を繰り広げてきた。

明けて4歳の今年。久しぶりのマイル戦であり、遠征競馬でもあった南部杯ゴールドドリームと接戦。それも、4コーナーで外に張られながらであり、力があるところは存分と見せた。

その後の勝島王冠の内容。それを考えれば、地元大井も含めて、十分相手になる。

 

そんなモジアナフレイバーの強さを血統的に言うと、Northern DancerMr.Prospectorの継続クロスにある。父バトルプランNorthern Dancerの4×4とMr.Prospectorの4×3を持っており、そこにNorthern DancerMr.Prospectorを4代前に持っているナスケンアイリスを配合することによって、Northern DancerMr.Prospectorを影響力を継続させる。

Mr.Prospectorはしなやかなスピードとパワーを伝えることが多い半面、しなやかさが若いときだと緩さにつながってしまうこともある。そこに成長力とがっしりとした器用さを伝えるNorthern Dancerも入れることで、Mr.Prospectorの欠点が歳を重ねるごとに解消されてきた。4歳でも春より秋の方がより良くなってきたのは、そのためであろう。

 

とはいえ、Northern DancerMr.Prospectorも取り立てて珍しい血ではない。むしろ、今の日本ではほとんどの馬にどちらかは入っている。

なら、モジアナフレイバーがJRA勢の一線級とも互角に渡り合えるようになった要因は他にもあるのかもしれない。もちろん、環境面等もあるが、血統面では、ナスケンアイリスの牝系の素晴らしさにあろう。

きょうだいのナスケンリュウジン、ネクストムーブはJRA3勝、オーブスプリングは道営の重賞フローラルカップを勝利、現2歳のヴァルストは新馬勝ち、ゴルトマイスターに至ってはオープン入りを果たし重賞制覇の期待もかけられているほどの馬である。そうなると、ナスケンアイリスは隠れた名繁殖牝馬といえよう。その源となっているのは8代前の母Aloeから連なる牝系にある。

今の日本でAloeの牝系で一番有名なのはウインドインハーヘアであろう。そう、ディープインパクトの母である。

他にもその牝系はエタンやKnown Fact、Gone Westなども出しており、世界的にも一流の系統であると同時に、なお活力のあるものだ。

ディープと同じ牝系と考えるとパワー不足のようにも思われるが、ウインドインハーヘアの系統からは帝王賞を勝ったゴルトブリッツが出ているように、日本のダートもこなせるだけの下地はある。

根底に流れる名牝系と、積み上げられた世界的な流行の血であるNorthern DancerMr.Prospectorの継続クロス。その結果、力をつけてきたのがモジアナフレイバーなのだ。

 

年末の大一番、東京大賞典。モジアナフレイバーは好枠といえる4枠5番に入った。

牝馬やスプリント戦ではJRA相手にも勝てる地方馬はいたが、クラシックディスタンスである2000m前後の距離では好勝負できる馬すら久しく出ていなかった。

フリオーソ以来のクラシックディスタンスでの地方勢勝利。その瞬間を、ぜひとも見たい。