オグリキャップをもう一度

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アロゲートのこと

アロゲートが亡くなった。

深夜、そのようなツイートを見た時、目を疑った。

まだ7歳。産駒もデビューしていない。これからだというのに。

 

プリークネスS勝ち馬エグザジェレイターケンタッキーダービー3着馬ガンランナーなどを相手に、トラックレコードで圧勝したトラヴァーズS

歴史的名勝負。当時世界最強だったカリフォルニアクロームとの叩き合いを制したBCクラシック

記念すべき第1回王者となったペガサスWC。

スタートでの不利もなんのその。終わってみたらひと捲りで楽勝だったドバイWC

このG1を4連勝したときのパフォーマンスは、間違いなく「史上最強馬」と呼んでもおかしくないほどのものだった。

 

ファピアノアンブライドルドアンブライドルズソングと続くサイアーラインは、絶好調期おそろしいほどの爆発力を発揮する。そもそもの基礎スピードが高いうえに、もう一段階ものすごい加速をする。

上記4戦。最後の100mでさらに加速できるのは、アンブライドルズソングの仔だからともいえる。

ただ、同時にこのサイアーラインは、一度闘志が萎むとあっけなく負け、その後なかなか不振を脱することができないということがある。

ドバイWC以降のアロゲートはまさしくそんな感じであった。

爆発するとものすごいだけに、火種がなくなったら再び爆発させるのが難しいということなのだろう。

良くも悪くもサイアーラインの特徴を受け継いだ。アロゲートはそんな馬だった。

 

アンブライドルズソングの血は、アメリカだけでなく、日本などでも重宝されている。

日本でいえば、今年の3歳。JRAで無敗の2冠を達成したコントレイルは母の父がアンブライドルズソングだった。その他、ディープインパクト産駒で母方にアンブライドルズソングを持った3歳馬は、コントレイルも含めて7頭。うち3頭が重賞勝ち馬というハイアベレージぶりを示している。

サイアーラインの特徴を継ぎ、最高級のパフォーマンスを見せたアロゲートのことだ。おそらく種牡馬としても成功したのではないか。

 

あらためて歴史的名勝負となったBCクラシックを見てみる。

確かに、カリフォルニアクロームの仕掛けはちょっと早かったのかもしれない。

でも、後続を最後まで突き放していた。ついてこられたのはアロゲートだけだった。

決してばてたわけではないカリフォルニアクロームを最後にかわせたのは、アロゲートが史上最強馬レベルの強さであったからでしかない。

それは同時に、カリフォルニアクロームも史上最強馬レベルの強さにあったことにほかならない。

カリフォルニアクロームはいま日本で種牡馬として供用されている。アロゲートの分まで、というのは変かもしれないが、カリフォルニアクロームにも頑張ってほしい。

 

あまりにも早すぎるアロゲートの死。ただ残念である。

アロゲートの強さが語り継がれ、少しでもその血がつながるのを願うばかりである。

お悔やみを申し上げます。