オグリキャップをもう一度

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太陽がいっぱいになるほどのスピードを ~アランバローズ~

とにかく速い。

全日本2歳優駿で5馬身もの差をつけて鮮やかに逃げ切り勝ちをしたアランバローズを見て、そう思いました。

無傷の5連勝。ほとんどがスピードにものをいわせての圧勝劇です。

なぜそんなに速いのか。

ダート短距離という観点からいえば、もちろん父ヘニーヒューズの存在もあるでしょうが、カギを握るのは母方にあるような気もします。

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アランバローズの5代血統表(出典:netkeiba)

母方にManipulatorという種牡馬がいると思います。父は言わずと知れたUnbridled。母Inside InformationはBCディスタフやエイコーンSなど14勝をあげたアメリカの名牝です。

Manipulatorの血が入っている馬は日本では非常に少ないですが、UnbridledとInside Informationの仔と考えれば、日本でも大爆発をする可能性を持った血ともいえます。

そのManipulatorの仔であるセンブラフェ。実はこの馬は、アルゼンチンの名物レースブエノスアイレス市大賞というダート直線1000mのレースを勝っている馬なのです。

アルゼンチンは高速馬場のスピード競馬であり、日本でこそそのスピードは活きるということで、近年社台グループを筆頭にアルゼンチンの血統を持ちこむのが多くなっています。センブラフェもその一環としてノーザンファームが購入した馬でした。

ただ、産駒は身体が弱く、センブラフェ自身も2頭の馬しか残せず亡くなってしまいました。

爆発する下地はありながら、健康面等で上手に扱えなかったセンブラフェの一族。

そこに、5代血統表でいえばアウトブリードになるヘニーヒューズをつけて、健康面の不安を除きながら爆発したのがアランバローズということになります。

センブラフェという馬を考えれば、今後も成長しそうな気もするアランバローズ。

冬の寒くなった川崎を明るく照らしたスピードは、まさに「アラン」・ドロンの代表作「太陽がいっぱい」といわんばかりのものでした。

今後の活躍にも期待したいです。