オグリキャップをもう一度

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モーリス産駒のワンツーから考える血統論

シンザン記念はモーリス産駒がワンツーフィニッシュを決めました。

2歳戦が始まった直後は「緩い」だの「キレがない」だの「遅い」だの言われて勝ち味の遅かったモーリス産駒ですが、気がついたら36勝(うちJRA32勝)をあげており、かなりの好成績。しかも、ワンツーフィニッシュで重賞制覇となると、さらに評価が高まりそうです。

 

さて、そんなモーリス産駒のワンツーから考える血統論、というのが今回のタイトルなわけですが、血統論と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか。「3×4のインブリード」とか「ニアリークロス」とか「4分の1異系」とかいろいろあるかもしれません。当ブログでもニアリークロスとか牝馬インブリードとかいろいろといってきました。

ただ、血統論は、実際考えると後付けの結果論である場合がほとんどです。同じ配合だからって、同じくらいの強さをもって馬が生まれるわけではないですし。科学的根拠も薄いです。

だからといって、まったく無意味かというと、そうでもないと思うのです。これまでの経験による知見であったり、オカルトっぽいですが血統に対する人々の「想い」によるエネルギーであるとか、今のところ科学的に証明されていないからといって、すべてを否定するのもまたおかしいと思うのです。

それに、血統論って言われたら納得してしまうじゃないですか。よく競馬を知っているようにも思われますし。

そもそも競馬が「ブラッドスポーツ」である以上、血統論は避けてはいけないものだと思います。

とはいえ、科学的根拠を示しているものが多くないというのも事実。

なので、一方では信じ、他方で疑うという態度が必要なのではないでしょうか。

 

さて、今回の本題。今回のシンザン記念でモーリス産駒がワンツーであったことから思った血統について、お話します。

勝ったのは、ピクシーナイトという馬でした。この馬は、サンデーサイレンスインブリードを持っていません。

モーリスは父母父がサンデーサイレンスであり、日本で飽和状態にあるサンデーサイレンスの血を持った牝馬と3×4のインブリードができやすいことから、ほとんどの産駒にサンデーサイレンスインブリードが成立しています。今年の3歳世代でいうと、176頭中129頭、すなわち7割以上の馬にサンデーサイレンスインブリードが成立しています。重賞レースでの勝利の大半を占めているノーザンファーム産のモーリス産駒でいうと、43頭中38頭がサンデーサイレンスインブリード持ち。9割近くという驚異的な数字です。

ピクシーナイトはそんなノーザンファームの少数派である5頭のうちの一頭。しかも、そのうち三頭は母が外国から来た馬であるため、母日本産限定ならわずか2頭となるのです。

そのうちの1頭がモーリス産駒で初めて重賞を勝った。

つまり、モーリス産駒はサンデーサイレンスインブリードがなくてもいい、ということです。

サンデーサイレンスインブリード自体を否定するつもりはありません。

ただ、今度もモーリス産駒で活躍する馬は多くであるでしょうし、その中にはサンデーサイレンスインブリードを持っている馬はかなりいるでしょうけど、それはサンデーサイレンスインブリードのみによるものではないということです。これだけ多くいるのなら、モーリス産駒の活躍馬にサンデーサイレンスインブリードがあるのがある意味当たり前なのだから。

なので、今後は「やはりサンデーサイレンスインブリードは有効だった」という声があっても、少し立ち止まって本当にそうなのかと考える姿勢が重要になるのだと思います。そこで思考できるかどうかで、今後サンデーサイレンスの時代ではなくなったときに対応できるかどうか変わってくると思いますので。

 

2着はルークズネストでした。

こちらは母の父がディープインパクト。当たり前ですけど、サンデーサイレンスインブリードがあります。

ただ、ここで書きたいのはそのことではありません。母の父ディープインパクトについてです。

最近母の父ディープインパクトの馬が重賞戦線をにぎわせています。ブラヴァス、アリストテレス、ムジカ、ステラヴェローチェなど。このシンザン記念にも、ルークズネスト以外に一番人気だったククナに、セラフィナイト、マリアエレーナと4頭出走させていました。

母の父ディープインパクトの馬が勝っていたら、そのことについて深堀してみる、或いは母の父ディープインパクト時代が近づいているということを書こうかと思っていました。

でも、結果は2着。

改めて成績を見て、気がついたのです。母の父ディープインパクト産駒が重賞戦線をにぎわせてはいるけど、実はあと一歩で勝ちを逃している方が多いということに。

ここからは推測です。代を経ると、やはりディープインパクトの瞬発力はそがれるのではないでしょうか。

理由として考えられるのは、基本的にディープインパクトの相手にはパワーがある馬をつけるからです。そうでないと、非力な馬が多くなってしまうので。

そうすると、代を経たら、当然ディープのキレ味要素はそがれます。なのに、ディープの血=切れ味、ちょっと非力という印象があるため、パワーもあるようなキングマンボ系の種牡馬などが多くつけられる。

結果的に、いい種牡馬をつけているからスピード能力はあるけど、想像していたのとちょっと違う、というのが誕生してしまうのだと思います。

ディープインパクトを父に持つ優秀な繁殖牝馬は、少なからずいます。なので、今後も母の父ディープインパクトで活躍する馬も出てくるでしょう。

ただ、それが本当に母の父ディープインパクトだから走るのか、少し考えてみたいものです(もちろん、母の父ディープインパクトだから走るという側面もあると思います)。

 

以上のことも、結果論といえば結果論です。別の結果が出たら、やはりその理由を考えますし、持論を撤回することもあるでしょう。

そして、同じ結果であっても、違う見方ができるのも、競馬の面白さのひとつです。

結局何が正しいかわからず、先輩方がトライ&エラーを重ねながら血を紡いできたのが、競馬です。

だからこそ、様々な見方を、様々な血統を、とも思うのです。

 

最後に、数字から見る今のJRAの馬場傾向を少し。

シンザン記念、この2頭はともに馬体重が500キロ以上の馬でした。その他の中京競馬場で行われたレースも、馬体重が重い馬が好走しております。今の馬場は、それだけパワーがいることの証明だと思います。

なので、今週の中京競馬場の芝のレースは、馬体重が重い馬から狙ってみるのもいいのではないでしょうか。