オグリキャップをもう一度

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あまりにも短い、荒々しい馬生

キングカメハメハ×エアグルーヴプラスサンデーサイレンスの完成形。ドゥラメンテの馬体を表現すると、そうなるかと思います。
硬くて柔らかい。張りがある筋肉をまとっていながら、可動域が広く、柔軟性に富んでいる。そんな馬体。
その硬さと柔らかさは、同時に、馬体の緩さや怪我のしやすさにもつながっていたのかもしれません。
「まだ完成していない」
現役時、驚くようなパフォーマンスを見せながら、幾度も言われた言葉が、何よりの証拠だと思っています。
無事に完成したならば、どれだけ強い馬になっていたのだろう。そう思わせるには十分な馬でした。

完成形でありながら、完成していない。名器といわれるものが扱いにくいのと同様、ドゥラメンテ自身もおそろしいまでの才能を秘めているからこそ、扱いには慎重にならざるを得ない馬でした。
ドゥラメンテの特徴ともなったクロス鼻革。驚異のレースといわれた皐月賞。あふれる才能をコントロールできないくらいの馬でもありました。
まさに、ドゥラメンテ(荒々しい)という名にふさわしい馬だったと思います。

種牡馬としても、新種牡馬リーディングに、現時点で今年の2歳馬のリーディング。数字を見れば、さすがの成績を残しています。
なのに、どこか物足りなさを感じてしまう。ドゥラメンテであるが故に、ハードルを高く設定してしまうからでしょう。
正直なところ、ドゥラメンテは完成形であるが故に、超える馬を考えるのが難しい側面があります。最近の日本で生産された馬との配合では、血統的に逃げ場がない。良くも悪くもドゥラメンテの能力は伝えるけど、劣化コピーされたのが生まれてしまう感じでしょうか。
逃げ場がありそうな海外繁殖との配合だと、散漫というか、硬すぎるとか重すぎるとか柔らかすぎるとか、極端な形になる可能性が高くて、ギャンブルとなってしまう。
それでも好成績を残しているのは、ドゥラメンテの能力がもともと高いからなのでしょう。
だからこそ、ドゥラメンテを超えるような馬が出てくる場合、どんな血統から誕生するのか、楽しみでもありました。

それだけに、まだ2世代しか走っていない中での死は、あまりにも早すぎます。
最近の日本競馬の集大成ともいえる血統。後継が現れて、その血が遺ってもらいたいものです。

お悔やみ申し上げます。