オグリキャップをもう一度

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走れ東京シティ競馬を 走れ世界へ

2着馬に4秒1差をつけての圧勝。それも、持ったままだった。
噂通り、いや、着差を見れば噂以上の勝ち方だった。
その馬の名は、ランディスシティ。育成段階では先日大井で行われた2歳重賞ゴールドジュニアでこの時期の2歳馬ではお目にかかれない時計で勝ったママママカロニ以上に動いていたというのだから、そのすごさが分かる。

久しぶりに大井競馬場に現れた怪物候補は、海の向こうアメリカからやってきた。
外国産馬限定で南関東競馬向けに共有馬主を募集しているトラヴァーズサラブレッドクラブの一期生。
父はBCスプリント覇者のRunhappyに母の父Speightstownという文字からも、どれだけパワフルなスピードを持っているのか楽しみになる。
それだけではない。4代前の母に「The Very One」という名がある。第1回ジャパンカップに「100万ドルホース」としてアメリカから来日し、一番人気となったザベリワンのことだ。ジャパンカップでは3着だったが、世界的に有名だった牝馬の参戦は、当時まだ世界へ挑戦することが少なかった日本の競馬界に世界一流の馬が纏っているオーラを伝えてくれた。
そんなザベリワンの血を持った馬が、大井競馬で走る。しかも、大きな舞台での活躍を予感させる走りを見せて。
アメリカ競馬と日本の競馬の懸け橋となったザベリワンの血が、今度は日本からアメリカ競馬へ挑戦する懸け橋となる。
ランディスシティ。そして、ランディスワールド。
ケンタッキーダービーのゲートにランディスシティが収まる。チャーチルダウンズの馬場を駆け抜ける。
そんな夢を見てみたくなった。