オグリキャップをもう一度

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スーパーカーの源は今なお健在 ~Quillについて~

昨日ブログで書いたランディスシティ。4代前の母がザベリワンだということについても、昨日触れた。
改めてザベリワンの血統を見てみると、父がOne for Allだったということに気づく。
現在南関東に、父ディープインパクト×母ラヴェリータのワンフォーオールという馬がいるが、もちろん同名の別馬。ザベリワンの父であるOne for Allは父Northern Dancer×母Quillという血統でカナディアンインターナショナルなどを勝った馬である。
Northern Dancerについては今更説明する必要はないであろう。
今回書きたいのは、母Quillの方である。
日本でQuillが知られるとしたら、次の事実によってであろう。マルゼンスキーの祖母であるということだ。
橋本聖子さんの父橋本善吉氏がQuillの娘シルを日本に輸入し、輸入時シルのお腹の中にいたのがマルゼンスキー。様々な逸話を残し、そのスピードから「スーパーカー」と言われた名馬である。今ではウマ娘にも登場し、若い競馬ファンにもお馴染みとなった。
マルゼンスキーのスピードは父Nijinskyによる部分もあるが、母方からも影響を受けているといえるだろう。祖母Quill自身がエイコーンSなどアメリカの主要レースを勝ち、最優秀2歳牝馬にも選ばれるほどの牝馬であったのだから。
そんなQuillに名種牡馬Buckpasserを付けて生まれたのがシル。当時の日本ではお目にかかれないほどの良血だったと言える。
シルの仔はマルゼンスキー以外思ったほど走らなかったが、それは橋本善吉氏が「何を付けても走るだろうと勘違いしてしまった」ことが理由と言われている。それでも25歳というかなりの高齢になるまで繁殖生活を続け、マルゼンスキーが亡くなった際にその葬式にシルが参列しているのだから、やはり生命力はあったのだろう。

Quillについて書きたくなったのは、もう一つ理由があってのこと。
昨日行われた白山大賞典。馬場を味方につけてメイショウカズサが逃げ切った。そのメイショウカズサがQuill→シルと続く牝系出身なのだ。
先ほど「思ったほど走らなかった」と書いたが、シルから続く血は今なお受け継がれている。それも、重賞を勝てるくらいに。
改めて思う。マルゼンスキーという馬を構成する血の凄さを。
そして、その血がこれからも受け継がれることを願うばかりである。