オグリキャップをもう一度

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彼女はロンシャンの芝を飛ぶように駆け抜けた

なんて軽やかに走っているのだろう。ロンシャンの芝は重いはずなのに。
凱旋門賞の直線を見て思った。
力強く割ってやってきたヴァデニ。外からは「猛然と」という言葉がふさわしいように追い込んでくる前年覇者トルカータータッソ。
そんな重い馬場に抵抗するかのようにやってくる馬とは対照的に、勝ったアルピニスタは、軽やかに、まるでスキップしているかのようにゴール板を駆け抜けていた。
速い。強い。そして、美しい。

アルピニスタを管理するプレスコ師曰く「操縦性も良く、重い馬場も不問」というオールマイティーさ。近親を見れば、欧州での活躍馬が並ぶ良血でもある。
その牝系を辿れば、Mumtaz Mahalの名があらわれる。NasrullahやMahmoudの祖母、Royal Chargerの曾祖母であり、自身も「Flying Filly」と呼ばれた快速牝馬である。現代の競馬で最もスピードを伝えている血といっても過言ではない。
その直系はいまでも活躍馬を輩出しており、欧州では凱旋門賞を勝ったZarkava、日本でもホクトベガスマートファルコンなどがいる。
このように書くと、快速牝馬、スピードを伝える血でありながら、代を経るとスタミナやパワーを持った馬が多くなっているようにも思える。おそらくスピードを基盤とした上で、スタミナやパワーといった要素も代々重ねられていったからであろう。
ちなみに、実はタイトルホルダーもこの牝系。今回は残念だったが、スピードとスタミナを兼ね備えた馬である評価に変わるところはない。