オグリキャップをもう一度

競馬好きの行政書士が競馬について気ままに書くブログ 馬主申請の代行も行っております

新年のごあいさつと提言めいたもの

あけましておめでとうございます
本年も当ブログをよろしくお願いいたします

 

昨年は思うように記事を書くことができませんでしたが、今年は様々なことを発信していけたらと思います。

 

さて、今年最初のブログ。
間違いなく、今年、来年は日本競馬界にとって大きく変わる一年になります。それは、地方とJRAでの統一したダートクラシック路線の2歳戦が始まるから。
地方競馬好きとしては、この改革自体、正直心から喜べるものではありません。
他方で地方競馬関係者や地方競馬のみの馬主にとってチャンスとなる可能性もあります。賞金の高いレースが増えるのですから。
ただ、この改革が成功するには、そして、地方競馬関係者がチャンスをつかむには、まだまだ課題が山積みでもあります。
ということで、今回は新年一発目として提言めいたブログを書こうと思います。1月1日の社説みたいな感じですかね。
しばらくお付き合いください。

 

JRAとNARの統一的なダートクラシック路線設立と、ダート路線全体の再編成。これの主目的は、地方交流重賞の国際格付け化にあります。すなわち、数年後のJpn格付けの廃止です。
現状、地方交流重賞は、国内でこそ重賞扱いですが、世界的には東京大賞典以外制限付きリステッド競走扱いです。そうすると、国際的には日本のダート競走の評価はなかなか高くなりません。
そこで、地方交流重賞の国際格付けをすることで、日本のダート競馬全体の評価を上げようということです。
とはいえ、国際格付けを得るのも簡単ではありません。レーティングなどの問題があります。
また、レーティングを上げるにもレースのレベルを向上しなければいけない等課題があります。レースレベルを上げるには、ただJRAの強豪馬が出るだけでは意味がなく、地方からもJRAの強豪と互角に渡り合える馬が複数出走しないといけません。
人の技術ではJRA以上の地方競馬ですが、いかんせん施設の充実度ではJRAに敵いません。賞金もJRAの方が圧倒的に高いです。
そのため、素質があると思われる馬はまずJRAに入厩してしまいます。年間生まれる馬の半数以上がJRAに入厩し、そこから漏れた馬が地方競馬に行くというのが現実です。例外はあるにせよ。
だから、競馬法を改正して、JRAの売り上げの一部を地方競馬の施設拡充に使えるようにしたわけです。

賞金を上げ、施設が良くなれば、素質のある馬も地方競馬に入る。これによって強い地方馬が生まれやすくなり、ダートグレード競走のレベルも上がり、地方競馬が盛り上がり、売り上げも賞金も上がり、そこで地方馬が勝って高額賞金を得る。その好循環を繰り返して地方競馬界全体に広める。理想はこのサイクルです。そうなれば、地方競馬好きの自分にとってもいい改革になったと思うわけです。
そうなればいいんですけど、課題はやはりあります。

まずは、地方競馬で強い馬を育成するにはある程度の素質馬を入厩させないといけないのですけど、実際は馬房がいっぱいであること。
先ほど生産された馬の半数以上がまずJRAに入厩すると書きましたが、地方競馬への転入等で実は地方競馬に入厩させるのも簡単ではないという実情があります。
ならば馬房を増やせばいいではないか、施設拡充する資金は出るのだからそれで拡充すればいいではないか、と思われるかもしれません。場所と施設に関しては、どうにかなるかもしれません。
しかし、もう一つ足りないのがあります。それは、人手です。地方競馬では騎手や厩務員等全体的に人材が減少しています。馬房を増やしても、世話をすることができる人がいなければ無意味です。そして、現在馬業界全体で人手不足になりつつある状況となっています。

理由はいろいろあると思います。危険が伴う体力的にもきつい肉体労働。金銭的な問題。休みが取りにくい労働環境。特殊な馬社会での人間関係等々。ここを解決しなければ、結局人手がいる一部大手が新たに賞金を稼ぐ場を見つけただけにすぎないことになります。
地方競馬間でのレベル差、環境の差もあります。
また、レベルが上がることによって、今までいた安くて競走能力はそれほどない馬を入厩させにくくなって、却ってコストが低いから地方競馬の馬主になっていた人が遠ざかる可能性もあります。
結果的に、地方競馬全体が、単なるJRAの下部組織になってしまう可能性もあります。
そうならないために地方競馬関係者が知恵を出し合っていいアイデアを、魅力ある競馬づくりを実行しないといけないのですが、正直上から決められたことをさせられている感じしかしないのが残念です(現場は頑張っていますが)。

そして、上記課題は、地方競馬のみならず、JRA、いや、日本競馬界全体にも関わることです。
特に、人手不足。この問題をどうにかしないと、日本競馬界は緩やかに衰退していくと思います。

だから、自分としては、今後馬と触れ合いやすい社会にし、より日本に馬を扱うことができる人を増やす、労働条件等契約面でサポートする、海外から質のいい人材を紹介する等々、競馬に関する業務をおこなっている行政書士としてできることをしていきます。

馬と人にとってより良い社会になるために。