オグリキャップをもう一度

競馬好きの行政書士が競馬について気ままに書くブログ 馬主申請の代行も行っております

ご挨拶

初めまして。

当ブログにお越しくださいまして、誠にありがとうございます。

オグリキャップをもう一度」の管理人である、野田洋平と申します。

品川区の五反田にある「野田洋平行政書士事務所 」で行政書士をやっております。

主な業務として、法人設立や相続・遺言関連、補助金申請の手助けなどを手がけております。

それに加えて、最近は、馬主申請の代行もしております。

競馬好きなら、やはり馬主には憧れるもの。競馬好きとして、そのお手伝いが出来たら、と思っております。

 

まあ、そんな商売のお話は置いといて(置いておくのか)、なんでこのようなブログを開設したかについて、話します。

 

オグリキャップをもう一度」

オグリキャップ。昭和の最後~平成の初めに活躍した「芦毛の怪物」。地方競馬笠松競馬場でデビューし、12戦10勝の成績を引っ提げて4歳(現在の馬齢表記では3歳)時に中央競馬入り。そこから重賞6連勝を果たし、その後もタマモクロススーパークリークイナリワンヤエノムテキバンブーメモリーなどのライバルと数多くの名勝負を演じた馬。

2着に敗れたとはいえ、1着馬ホーリックスと同タイムで当時の2400mの世界レコード、2分22秒2で駆け抜けたジャパンカップは、今でも語り草となっている。

そして、何より、引退レースとなった有馬記念。不振に陥ったオグリキャップの復活劇。当時、18万人を集めた中山競馬場では、割れんばかりのオグリコールがこだました。

ぬいぐるみも販売され、たくさん売れた、日本競馬史上ナンバー1のアイドルホース。

それが、オグリキャップ

そして、私も、オグリキャップに魅了されて、競馬好きになった(小学生時代というのは内緒だ)。

血統は決して一流とは言えない(母ホワイトナルビーは優秀であるが)。生まれたときは、中央競馬のクラシックの登録もされず、そこまで期待されていなかった。そんな馬が、大レースをいくつも勝ち、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。おそらく、日本競馬史上、最も競馬が熱かった時代。

そんなオグリキャップに魅了された人であるから、もう一度、競馬が熱かった時代を蘇らせたい。

決して今の競馬がつまらないと言っているわけではない。社台グループの生産努力、世界のトップジョッキーが集まる環境、それらによって、日本競馬界は、世界でもトップレベルになったといっても間違いではない。

それでも、一頃よりは良くなったとはいえ、オグリキャップの時代に比べて競馬人口は減っている。

だからこそ、「オグリキャップをもう一度」なのである。

決して一流の血統ではないところからオグリキャップが生まれたように、社台グループ以外からでも世界に通じる名馬をつくりたい。

そんな名馬が生まれたら、もう一度名馬人口が増えるのではないか。

そして、日本に文化として競馬が位置付けられるのではないか。

そんなことを願いながら、このブログを書いていこうと思います。

 

オグリキャップのような名馬の馬主に、私が申請した人がなったら最高なんですけどね(笑)

 

というわけで、今後ともよろしくお願いします。

 

 

モーリス産駒のワンツーから考える血統論

シンザン記念はモーリス産駒がワンツーフィニッシュを決めました。

2歳戦が始まった直後は「緩い」だの「キレがない」だの「遅い」だの言われて勝ち味の遅かったモーリス産駒ですが、気がついたら36勝(うちJRA32勝)をあげており、かなりの好成績。しかも、ワンツーフィニッシュで重賞制覇となると、さらに評価が高まりそうです。

 

さて、そんなモーリス産駒のワンツーから考える血統論、というのが今回のタイトルなわけですが、血統論と聞くと、どのようなことを思い浮かべますか。「3×4のインブリード」とか「ニアリークロス」とか「4分の1異系」とかいろいろあるかもしれません。当ブログでもニアリークロスとか牝馬インブリードとかいろいろといってきました。

ただ、血統論は、実際考えると後付けの結果論である場合がほとんどです。同じ配合だからって、同じくらいの強さをもって馬が生まれるわけではないですし。科学的根拠も薄いです。

だからといって、まったく無意味かというと、そうでもないと思うのです。これまでの経験による知見であったり、オカルトっぽいですが血統に対する人々の「想い」によるエネルギーであるとか、今のところ科学的に証明されていないからといって、すべてを否定するのもまたおかしいと思うのです。

それに、血統論って言われたら納得してしまうじゃないですか。よく競馬を知っているようにも思われますし。

そもそも競馬が「ブラッドスポーツ」である以上、血統論は避けてはいけないものだと思います。

とはいえ、科学的根拠を示しているものが多くないというのも事実。

なので、一方では信じ、他方で疑うという態度が必要なのではないでしょうか。

 

さて、今回の本題。今回のシンザン記念でモーリス産駒がワンツーであったことから思った血統について、お話します。

勝ったのは、ピクシーナイトという馬でした。この馬は、サンデーサイレンスインブリードを持っていません。

モーリスは父母父がサンデーサイレンスであり、日本で飽和状態にあるサンデーサイレンスの血を持った牝馬と3×4のインブリードができやすいことから、ほとんどの産駒にサンデーサイレンスインブリードが成立しています。今年の3歳世代でいうと、176頭中129頭、すなわち7割以上の馬にサンデーサイレンスインブリードが成立しています。重賞レースでの勝利の大半を占めているノーザンファーム産のモーリス産駒でいうと、43頭中38頭がサンデーサイレンスインブリード持ち。9割近くという驚異的な数字です。

ピクシーナイトはそんなノーザンファームの少数派である5頭のうちの一頭。しかも、そのうち三頭は母が外国から来た馬であるため、母日本産限定ならわずか2頭となるのです。

そのうちの1頭がモーリス産駒で初めて重賞を勝った。

つまり、モーリス産駒はサンデーサイレンスインブリードがなくてもいい、ということです。

サンデーサイレンスインブリード自体を否定するつもりはありません。

ただ、今度もモーリス産駒で活躍する馬は多くであるでしょうし、その中にはサンデーサイレンスインブリードを持っている馬はかなりいるでしょうけど、それはサンデーサイレンスインブリードのみによるものではないということです。これだけ多くいるのなら、モーリス産駒の活躍馬にサンデーサイレンスインブリードがあるのがある意味当たり前なのだから。

なので、今後は「やはりサンデーサイレンスインブリードは有効だった」という声があっても、少し立ち止まって本当にそうなのかと考える姿勢が重要になるのだと思います。そこで思考できるかどうかで、今後サンデーサイレンスの時代ではなくなったときに対応できるかどうか変わってくると思いますので。

 

2着はルークズネストでした。

こちらは母の父がディープインパクト。当たり前ですけど、サンデーサイレンスインブリードがあります。

ただ、ここで書きたいのはそのことではありません。母の父ディープインパクトについてです。

最近母の父ディープインパクトの馬が重賞戦線をにぎわせています。ブラヴァス、アリストテレス、ムジカ、ステラヴェローチェなど。このシンザン記念にも、ルークズネスト以外に一番人気だったククナに、セラフィナイト、マリアエレーナと4頭出走させていました。

母の父ディープインパクトの馬が勝っていたら、そのことについて深堀してみる、或いは母の父ディープインパクト時代が近づいているということを書こうかと思っていました。

でも、結果は2着。

改めて成績を見て、気がついたのです。母の父ディープインパクト産駒が重賞戦線をにぎわせてはいるけど、実はあと一歩で勝ちを逃している方が多いということに。

ここからは推測です。代を経ると、やはりディープインパクトの瞬発力はそがれるのではないでしょうか。

理由として考えられるのは、基本的にディープインパクトの相手にはパワーがある馬をつけるからです。そうでないと、非力な馬が多くなってしまうので。

そうすると、代を経たら、当然ディープのキレ味要素はそがれます。なのに、ディープの血=切れ味、ちょっと非力という印象があるため、パワーもあるようなキングマンボ系の種牡馬などが多くつけられる。

結果的に、いい種牡馬をつけているからスピード能力はあるけど、想像していたのとちょっと違う、というのが誕生してしまうのだと思います。

ディープインパクトを父に持つ優秀な繁殖牝馬は、少なからずいます。なので、今後も母の父ディープインパクトで活躍する馬も出てくるでしょう。

ただ、それが本当に母の父ディープインパクトだから走るのか、少し考えてみたいものです(もちろん、母の父ディープインパクトだから走るという側面もあると思います)。

 

以上のことも、結果論といえば結果論です。別の結果が出たら、やはりその理由を考えますし、持論を撤回することもあるでしょう。

そして、同じ結果であっても、違う見方ができるのも、競馬の面白さのひとつです。

結局何が正しいかわからず、先輩方がトライ&エラーを重ねながら血を紡いできたのが、競馬です。

だからこそ、様々な見方を、様々な血統を、とも思うのです。

 

最後に、数字から見る今のJRAの馬場傾向を少し。

シンザン記念、この2頭はともに馬体重が500キロ以上の馬でした。その他の中京競馬場で行われたレースも、馬体重が重い馬が好走しております。今の馬場は、それだけパワーがいることの証明だと思います。

なので、今週の中京競馬場の芝のレースは、馬体重が重い馬から狙ってみるのもいいのではないでしょうか。

母父ハーツクライの可能性

リステッド競走であるジュニアカップを勝ったヴェイルネビュラ、京都金杯を勝ったケイデンスコールと、1月5日は主要なレースで父ロードカナロア×母父ハーツクライの馬が2頭勝ちました。この組み合わせは元日に川崎競馬で下級条件とはいえイチリュウマンバイも勝っており、今年早くも3勝したことになります。

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20210114184240j:plain

新春の川崎競馬は誘導場が獅子舞に扮して誘導することもあります。

母父ハーツクライJRAの重賞を勝ったことがあるのは、トロワゼトラル、ケイデンスコール、ヴァルディゼールの3頭。いずれも父がロードカナロアです。

母父ハーツクライで獲得賞金ベスト20を見てみますと、さきほどの3頭を含め、父ロードカナロアは7頭ランクイン。

この配合は完全にニックスといっていいでしょう。

 

なぜ父ロードカナロア×母父ハーツクライがいいのでしょうか。

ひとつはNureyevにあると思います。

そもそもハーツクライとNureyevは相性のいい血。シュヴァルグランヌーヴォレコルトなどがいます。相性がいい理由として、いわゆる「ナスペリオン(ナスルーラハイペリオン)」の伸びやかなスピードを増幅させるから、と言われています。

ロードカナロアキングカメハメハの仔なので当然Nureyevの血を持っています。

それがトロワゼトワルのスピードやケイデンスコールの差し脚などに結びついているのだと思われます。

ただ、Nureyevの血を持つ馬なら、ロードカナロア以外にもいます。なので、他にも理由があるはず。

その理由として、もうひとつ、Busandaの血があると考えられます。

Busanda。名牝La Troiennneの孫であり、BuckpasserやBupersの母として有名な馬です。ロードカナロア産駒の最高傑作アーモンドアイも母フサイチパンドラがBusandaの血を持っていました。そのことから、ロードカナロアにとって有効な血といえます。

ロードカナロアはLa Troienneも有していることから、そのインブリードでbusandaも増幅。Busandaがスピードだけでなくパワーも伝える血であるであることを考えると、ハーツクライロードカナロアだとどうしても緩くなりがちになるところを、硬くなりすぎずに締める役割を果たしていると思います。

結果的に、しなやかで伸びる仔ができやすくなる、ということでしょう。

 

ロードカナロア以外では今一つ好成績をあげられていない母父ハーツクライの馬たち。ただ、最近面白い傾向も出ています。それは、意外とダートで走る馬も出すこと。

例えば、大井で準重賞のジェムストーン賞を勝ったギシギシや佐賀の佐賀若駒賞を勝ったムーンオブザボスなど。ギシギシはBusanda増幅、ムーンオブザボスはNureyev持ちのパターンです。

ハーツクライ自身は緩くダートでは非力な面もありますが、自身の牝系My Bupersからはノンコノユメも輩出するなど、ダートも走れる下地があります。

なら、緩さを解消させる意味でも、上手に配合すればダート系の種牡馬も合うのではないでしょうか。

 

同期のキングカメハメハBMSで首位となったことからも、そろそろ母父ハーツクライもたくさん活躍馬を出さないと。

今回はその可能性というのを考えてみました。

謹賀新年

あけましておめでとうございます

旧年中は大変お世話になりました

本年もよろしくお願いいたします

 

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20210114184052j:plain

昨年の競馬界は、偉大な記録が次々と達成されました。

JRAでは牡馬、牝馬ともに、無敗の三冠馬が誕生。三冠馬が3頭激突するジャパンカップもありました。

他にも世界で初めての白毛馬によるG1制覇など様々なことがありました。

コロナ禍で開催すら危ぶまれた競馬界。昨年たくさんあった名場面は、努力して開催し続けた関係者とファンに対するご褒美だったと思います。

 

今年も、未だに新型コロナウイルスの感染は拡大し続けており、大変な状況に変わりはありません。競馬場での観戦も限定的なものとなっております。

そんな時代だからこそ、感染拡大防止のためにできることはしっかりと行い、同時に勇気づけられた競馬に対してお家で応援する。そういうことが大事なのだと思います。

自分自身も、馬主申請からその後のサポートなど馬主の手助けをする行政書士として、競馬界に少しでも貢献出来たら、と思います。

そして、競馬の魅力を伝えられたら、と思います。

 

今年一年、いい競馬が見られますように。

 

太陽がいっぱいになるほどのスピードを ~アランバローズ~

とにかく速い。

全日本2歳優駿で5馬身もの差をつけて鮮やかに逃げ切り勝ちをしたアランバローズを見て、そう思いました。

無傷の5連勝。ほとんどがスピードにものをいわせての圧勝劇です。

なぜそんなに速いのか。

ダート短距離という観点からいえば、もちろん父ヘニーヒューズの存在もあるでしょうが、カギを握るのは母方にあるような気もします。

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20201217191135p:plain

アランバローズの5代血統表(出典:netkeiba)

母方にManipulatorという種牡馬がいると思います。父は言わずと知れたUnbridled。母Inside InformationはBCディスタフやエイコーンSなど14勝をあげたアメリカの名牝です。

Manipulatorの血が入っている馬は日本では非常に少ないですが、UnbridledとInside Informationの仔と考えれば、日本でも大爆発をする可能性を持った血ともいえます。

そのManipulatorの仔であるセンブラフェ。実はこの馬は、アルゼンチンの名物レースブエノスアイレス市大賞というダート直線1000mのレースを勝っている馬なのです。

アルゼンチンは高速馬場のスピード競馬であり、日本でこそそのスピードは活きるということで、近年社台グループを筆頭にアルゼンチンの血統を持ちこむのが多くなっています。センブラフェもその一環としてノーザンファームが購入した馬でした。

ただ、産駒は身体が弱く、センブラフェ自身も2頭の馬しか残せず亡くなってしまいました。

爆発する下地はありながら、健康面等で上手に扱えなかったセンブラフェの一族。

そこに、5代血統表でいえばアウトブリードになるヘニーヒューズをつけて、健康面の不安を除きながら爆発したのがアランバローズということになります。

センブラフェという馬を考えれば、今後も成長しそうな気もするアランバローズ。

冬の寒くなった川崎を明るく照らしたスピードは、まさに「アラン」・ドロンの代表作「太陽がいっぱい」といわんばかりのものでした。

今後の活躍にも期待したいです。

今更だけどJBCについて

この秋は、コロナ禍においても頑張って続けている競馬界へのご褒美なのでしょうか、次々と記録的なことが起こっています。

そういうわけで、11月はブログネタにしたいことがたくさんあったのですが、筆不精で気がついたら12月となってしまいました。12月にもなって先月のことを振り返るのも季節外れな感もしますが、備忘録も兼ねてwebという広大な情報の海に流していこうと思います。

今回は、JBCについてです。

 

1日にG1レースをいくつも行う先駆けとなったアメリカのブリーダーズカップは、そのレースの多様性から、現代競馬の血統トレンドを知るのに役立っているという一面もあります。

では日本のJBCはどうなのか。日本の生産者のため、と考えれば、少なくとも日本の生産者に寄与するだけのものがあると思うのです。上位に来た馬の血統は、生産者にとって配合のヒントになるかもしれませんし。

そういうわけで、今回はJBCで勝った馬の血統について書いていこうと思います。といっても、JBCクラシックを勝ったクリソベリルについては以前書きましたし

keiba-gyoseisyoshi.hatenablog.com

今回は他の3頭について述べようと思います。

 

まずは、JBCレディスクラシックを勝ったファッショニスタについて。

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20201214180208p:plain

ファッショニスタの5代血統表(出典:netkeiba)

近親にHenrythenavigatorやリッスン等欧州で実績のある馬がいる血統。日本でもそれなりに活躍している馬を出している牝系ですが、ちょっともっさりしているのが多いイメージです。

ただ、母父がコロナズドクエストでよりパワー型にしたうえで、ストリートセンスをつけてミスプロのクロスですから、日本のダートを走り切れるタフさはあるのでしょうね。

そういう意味では、Rivermanというのもタフさを上乗せする血ですので、いいのかもしれません。クリソベリルの母方にも入っていますし。

マドラスチェックとの叩き合いを制したタフさは、血統面からも説明できるんでしょうね。

 

レース順でいいますと、お次はJBCスプリント。サブノジュニアの出番です。

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20201214182517p:plain

サブノジュニアの5代血統表(出典:netkeiba)

サブノイナズマの仔はよく走る。JBCクラシックではサブノクロヒョウも走っていますし、南関東ではおなじみの繁殖牝馬となっています。

どうして走るのだろうと思って血統表を見たら、Sex Appealの文字。そりゃ走るわけです。

Sex Appealトライマイベストエルグランセニョールを輩出した名牝。あのアーモンドアイもこの牝系ですし、ダート界ですとインペリシャブルもSex Appeal牝系です。世界的にも、Sex appealの母Best in Showの系譜ですけど、Siskinも出てきていますし、今なお活力のある牝系、いや、世界で一番活力のある牝系といっても過言ではありません。

この牝系の特徴は、パワーを含めてある程度カシっとしたスピードを伝えること。アーモンドアイは緩さと硬さが最適なバランスでブレンドされた感じを受けますが、その硬さとスピードは牝系から受け継がれているといってもいいでしょう。

そこに日本ダート界では安定のサウスヴィグラスをつけるのですから、これだけ活躍するわけです。

レースを覚えさせるためにわざと内に入れたり、的場クリニックで我慢させたり、敢えてマイルを使ったり…。陣営のこれまで行ってきた努力が実を結んだ勝利。南関東競馬好きの私としては、嬉しい勝利でした。

 

最後は、新設されたJBC2歳優駿を制したラッキードリームについて。

f:id:keiba-gyoseisyoshi:20201214184257p:plain

ラッキードリームの5代血統表(出典:netkeiba)

南関東競馬好きであるならば、やはり道営競馬も見ないと。ということで、3月からは門別競馬の能検もじっくり見るということをここ数年しております。

そんな中、シニスターミニスター産駒でいい動きをしているのが何頭かいるな。そう思ったうちの一頭が、ラッキードリームでした。

馬主を見たら、林正夫先生。これは見所あるということだな、と思って血統を見たら、母がサクラスリールでした。

ということは、カプリフレイバーの弟ということか。これは注目しておかないと、と思って追いかけ続けていたら、この勝利。自分の馬を見る目が合っていた、という自信にもなる嬉しい勝利でした。

改めて血統面について話してみます。母サクラスリールは次世代の南関東スプリント王候補カプリフレイバーも生んでいるように、優秀な繁殖牝馬です。その源は何かと問われたら、やはりスワンズウッドグローヴ牝系(Friar's Daughter牝系の方が通りがいい?)であることに尽きるでしょう。

スワンズウッドグローヴ。一時代を築いたサクラの基礎牝馬です。サクラチヨノオーサクラホクトオーサクラセカイオーサクラエイコウオーなどなど、数多くの名馬を輩出しました。

同時に、この牝系からは、イエローパワー、レジェンドハンターのように、ダートでスピードを持った馬も出しているのです。

そのスピード面が、サクラスリールの繁殖牝馬としての良さにつながっているのだと思います。

サクラの馬は少なくなってしまいましたが、それでも時々こういった形でサクラの血が出てくるのは、ブラッドスポーツである競馬の良さを再認識しますね。

 

改めてJBC勝ち馬の血統を見ていると、新たな発見もあり、楽しいものでした。

血統理論は正直結果論、後付けであるところはあります。同じ配合をしても、同じ強さの馬ができるわけではありません。

ただ、血統はこれまでの競馬関係者が積み重ねた結晶ともいえます。その結晶には何らかのヒントがある。JBCは生産者のためのレースでもありますし、勝ち馬の血統を探ることは、生産者のより良い馬の生産につながるのではないか、とも思います。

 

今回はこんなところで。

白毛馬の思い出

気がついたら12月も半ば。早いものです。

ブログを更新していない間、競馬界でもいろいろなことがありまして、書きたいネタがたまっているのですが、順番をすっ飛ばしてホットな話題から書くことにします。

 

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

今年の阪神ジュベナイルフィリーズ白毛馬のソダシが接戦を制して優勝しました。札幌、府中、阪神と、結構性質が違う競馬場での重賞3連勝は中身が濃いと言えます。

そして、これが日本で初の白毛馬によるG1勝利。今秋のG1は歴史的な勝利が目立っていますが、また新たな歴史的勝利が加わりました。

ソダシはシラユキヒメの牝系。シラユキヒメは父がサンデーサイレンス青鹿毛、母ウェイブウインドが鹿毛でありながら、突然変異で白毛となって誕生した馬。この牝系からは、ユキチャンのように重賞を勝った馬も輩出していますし、今年の阪神ジュベナイルフィリーズにソダシ以外にもメイケイエール(4着)を出走させたりするなど、かなり優秀なものとなっています。

そういうわけで、日本で白毛=シラユキヒメ牝系という感じになっていますが、シラユキヒメより昔にも、日本には白毛がいました。

 

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

日本で初の白毛馬が生まれたのは今から41年前である1979年5月28日のこと。父ロングエース(黒鹿毛)、母ホマレブル(栗毛)ともに白毛ではなかったので、突然変異によって生まれたわけです。

ハクタイユー」と名付けられた同馬は、勝利をあげることはできなかったものの、白毛の遺伝子を受け継がせるために、種牡馬入りをします。

 

日本で初めて白毛馬が勝ったのは、1997年のこと。ハクタイユーの仔ハクホウクンによって成し遂げられます。

勝った日は1997年ももうすぐ終わる12月30日。白馬に赤い勝負服を着た的場文男騎手が騎乗し、一番人気に応えての勝利でした。

白馬に赤い勝負服。まさに紅白ということで、おめでたい勝利でもありました。翌日のスポーツ紙では一面にしたところもあり、初の「白」毛馬が勝利ということで、12月31日に行われる紅白歌合戦と絡めた記事もありましたね。乗っていた人は「紅」の勝負服でしたが。

ちなみに、ハクホウクンの母の父は栗毛なのに「ハクバファースト」といいます。孫として日本初の勝利をあげた白毛馬が生まれるのですから、まさにハクバファーストといえます。

 

その後ハクホウクンは3勝をあげ引退。父ハクタイユーと同じく白毛遺伝子を受け継がせるため、種牡馬入りを果たします。

なお、3勝はすべて的場文男騎手によるもの。やはり、白には赤が良く似合うのでしょうね。

それと、余談ですが、ハクホウクンはぬいぐるみにもなっていまして、私もそのぬいぐるみを持っています。

 

ハクホウクン種牡馬としてハクバノデンセツという牡馬を遺します。日本で白毛の父系が3代続いた唯一の例です。

また、ハクバノイデンシ、ハクホウリリーという牝馬白毛馬も遺しました。この2頭は繁殖牝馬として白毛馬を生んでおり、父系としてはハクタイユー系が途絶えてしまいましたが、ハクバノイデンシ、ハクホウリリーからハクタイユー白毛遺伝子が続いていく可能性はまだあります。

 

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

とはいえ、ハクバノイデンシの仔、ハクホウリリーの仔ともに繁殖にあがっていないようなので、おそらく日本初の白毛馬だったハクタイユーの血が遺ることは、おそらくないのでしょう。

対し、シラユキヒメの牝系は、牝馬の活躍馬も多く、今後も遺っていく可能性が高いです。

だからこそ、シラユキヒメの牝系には頑張ってもらいたい。と同時に、シラユキヒメ以外にも、日本には白毛の系統があった、ということを覚えていてもらいたいのです。

かつて、白毛は致死性遺伝子であると言われてきた時期もあり、健康が良くない馬ばかりであると誤解されていた時期もありました。

しかし、ハクタイユーの一族が子孫を残したことにより、白毛遺伝子が不健康であるということにはならなくなりました(近年の研究で白毛遺伝子の致死作用は否定されたようです)。

そして、白馬は古来から神話・伝承においてしばしば神や英雄の象徴として扱われてきました。日本でも神馬として大切に扱われている事例もあります。

ある意味神の使いでもある日本初の白毛ハクタイユーとその子孫たち。シラユキヒメ牝系だけでなく、そんな血が日本にはあったということを覚えていただければ、と思います。

 

☆  ☆  ☆  ☆  ☆

 

12月の川崎競馬には、芦毛白毛馬限定の「ホワイトクリスマス賞」という名物レースがあります。

近年白毛馬の出走はありませんが、白毛馬が走るところも見たいです。

今年のホワイトクリスマス賞は、12月18日(金)。白毛は走りませんが、白い馬ばかりの競走です(白くなりきっていない馬もいますが)。こちらも注目ですね。

ノーザン不振の牝馬クラシック

今年のJRA牝馬クラシックは、デアリングタクトが見事に初の無配の三冠牝馬に輝きました。

秋華賞はやや早めに上がって行って、そのまま力強く伸びての勝利。陣営のプレッシャーはかなりのものがあったと思いますが、はねのけての三冠達成は、無敗の三冠牝馬にふさわしい強さでした。おめでとうございます。

 

デアリングタクトの生産者は長谷川牧場。年間の生産馬が5頭くらいの小さな牧場です。

ノーザンファーム全盛の時代に、こういう小規模な牧場から無敗の三冠牝馬が出るというのは、他の牧場にとっても励みになるでしょう。

 

他方で、ノーザンファームは今年の牝馬クラシックで不振を極めました。

リアアメリアやミヤマザクラなど人気になる馬こそ出ていましたが、複勝圏内に入ったのは桜花賞のレシステンシアの2着のみ。特に秋華賞ではディープインパクト産駒が2着、3着に入りましたが、いずれも非ノーザンファーム生産馬。ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒3頭は二桁着順に沈むという結果になりました。

 

原因は何でしょう?

2年前の北海道胆振東備地震の影響という人もいますが、ならば他の牧場も影響があるのでは、と思ってしまいます(ノーザンファームが近いというのはあるでしょうけど)。

偶々だ、というふうに考えることは簡単です。実際、そうなのかもしれませんが。

でも、考えないといけない。競馬界でより強い馬をつくるには。

今回、ノーザンファーム以上に他の牧場が育成の努力をしたからなのか。なら、その努力は、上手くいった要因は、なんなのか。以前よりノーザンファーム以外の育成も勉強してかなり良くなったのは事実ですから、そこからブラッシュアップできるならすべきでしょうし。

ノーザンファームノーザンファームで今回の総括をするでしょうし、そこから育成法を試すこともするでしょう。

 

ありきたりな結論ですが、答えはないんでしょうね。

競馬は常に勉強し続けないと。特に、技術が発達した現在では、勉強をやめたらすぐに置いてかれるんでしょう。

だから、ノーザンファームとか関係なく競馬界全体が切磋琢磨し合っていい馬づくりを求めないといけないんでしょう。

 

デアリングタクトに話を戻してみましょう。

牝系はデアリングダンジグということで、社台グループが導入したもの。出走成績は良くなかったものの、その血統を見込んでデアリングバードを購入した長谷川牧場さんの眼力は見事なものです。

 

さて、秋華賞の次は菊花賞。こちらも無敗で三冠に挑戦する馬が出ます。

コントレイル。この馬もノーザンファーム生産馬ではありませんね。

三冠達成となるか、それとも、他の馬が阻止するのか。

こちらも楽しみです。