オグリキャップをもう一度

競馬好きの行政書士が競馬について気ままに書くブログ 馬主申請の代行も行っております

ご挨拶

初めまして。

当ブログにお越しくださいまして、誠にありがとうございます。

オグリキャップをもう一度」の管理人である、野田洋平と申します。

品川区の五反田にある「野田洋平行政書士事務所 」で行政書士をやっております。

主な業務として、法人設立や相続・遺言関連、補助金申請の手助けなどを手がけております。

それに加えて、最近は、馬主申請の代行もしております。

競馬好きなら、やはり馬主には憧れるもの。競馬好きとして、そのお手伝いが出来たら、と思っております。

 

まあ、そんな商売のお話は置いといて(置いておくのか)、なんでこのようなブログを開設したかについて、話します。

 

オグリキャップをもう一度」

オグリキャップ。昭和の最後~平成の初めに活躍した「芦毛の怪物」。地方競馬笠松競馬場でデビューし、12戦10勝の成績を引っ提げて4歳(現在の馬齢表記では3歳)時に中央競馬入り。そこから重賞6連勝を果たし、その後もタマモクロススーパークリークイナリワンヤエノムテキバンブーメモリーなどのライバルと数多くの名勝負を演じた馬。

2着に敗れたとはいえ、1着馬ホーリックスと同タイムで当時の2400mの世界レコード、2分22秒2で駆け抜けたジャパンカップは、今でも語り草となっている。

そして、何より、引退レースとなった有馬記念。不振に陥ったオグリキャップの復活劇。当時、18万人を集めた中山競馬場では、割れんばかりのオグリコールがこだました。

ぬいぐるみも販売され、たくさん売れた、日本競馬史上ナンバー1のアイドルホース。

それが、オグリキャップ

そして、私も、オグリキャップに魅了されて、競馬好きになった(小学生時代というのは内緒だ)。

血統は決して一流とは言えない(母ホワイトナルビーは優秀であるが)。生まれたときは、中央競馬のクラシックの登録もされず、そこまで期待されていなかった。そんな馬が、大レースをいくつも勝ち、日本中を熱狂の渦に巻き込んだ。おそらく、日本競馬史上、最も競馬が熱かった時代。

そんなオグリキャップに魅了された人であるから、もう一度、競馬が熱かった時代を蘇らせたい。

決して今の競馬がつまらないと言っているわけではない。社台グループの生産努力、世界のトップジョッキーが集まる環境、それらによって、日本競馬界は、世界でもトップレベルになったといっても間違いではない。

それでも、一頃よりは良くなったとはいえ、オグリキャップの時代に比べて競馬人口は減っている。

だからこそ、「オグリキャップをもう一度」なのである。

決して一流の血統ではないところからオグリキャップが生まれたように、社台グループ以外からでも世界に通じる名馬をつくりたい。

そんな名馬が生まれたら、もう一度名馬人口が増えるのではないか。

そして、日本に文化として競馬が位置付けられるのではないか。

そんなことを願いながら、このブログを書いていこうと思います。

 

オグリキャップのような名馬の馬主に、私が申請した人がなったら最高なんですけどね(笑)

 

というわけで、今後ともよろしくお願いします。

 

 

雪の夜に先週を振り返る

珍しいくらいに東京でも雪が降っている夜。
明日の朝は道が凍結していて大変そうですね。。。

雪のために船橋競馬も3レース移行中止に。
外出もしない方がいいので、先週の競馬を振り返ってみようと思います。

 

前回のブログで書いた報知オールスターカップは、ライトウォーリアが逃げ切り勝ち。揉まれたくない同馬にとって外枠は好条件でした。
緩急つけた逃げを打った吉原騎手の騎乗ぶりもお見事。
終わってみれば完勝でしたね。

ブログでも触れたヒーローコールは4着。正直残念な内容でした。
逃げるつもりでスタートから前に出していったのは、馬場を考えれば好判断。ただ、ライトウォーリアの逃げに翻弄された部分はあるにせよ、先行したのなら3着には粘ってもらいたかったのが正直な感想です。
南関東クラシック組が古馬になっても活躍するという流れをつくらないと、ダート路線をどれだけ改革しようと無意味なものになりますので、何とか頑張ってもらいたいのですが。

 

きさらぎ賞を勝ったのはビザンチンドリーム。ゴール前では3頭が並ぶ接戦を制しました。
新馬戦での加速ラップでの快勝。今回は、レースラップこそ加速ラップではありませんが、11秒1-11秒3のラップを差し切ったのですから、やはりかなりの器です。
ただ、スタートでのダッシュのつかなさ、道中での気の悪さなど、課題も多いのが現状。
それでも今回、不可能な位置とも思えるところからの差し切り勝ち含めて、魅力が大きいのも事実です。
いずれにせよ、将来が楽しみな一頭です。

2着ウォーターリヒトは前走がフロックではないことが証明されましたね。
前走距離短縮で好走した馬が、今回距離延長はどうなんだろう、と軽視してしまいましたが、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

3着シヴァースは1戦1勝で距離延長という臨戦過程を考えると、なかなか将来性もあるように思えます。
そもそも母ヴィブロスの良血馬。
実戦タイプですし、まだまだ成長すると思います。

自分が本命にしたファーヴェントは6着。
直線で挟まれる不利がありました。
ただ、その不利がなくても勝てたかといわれると、微妙なところはあります。
そういう点では、現状での力は少し足りなかったのかも。東スポ杯から思ったより成長していなかった、ということですかね。
まだ緩いところはありますし、これからの馬であるのは事実。
動き自体はいいので、今後身体ができれば強くなると信じています。

 

東京新聞杯は、結果的に道中内側を走っていた馬での決着。サクラトゥジュールをエスコートしたキング騎手の手腕も光りました。
ちなみにサクラトゥジュール自体、4枠より内ですと、6戦2勝2着3回という好成績。今後も内枠のときは狙ってみたいですね。

2着ウインカーネリアンは逃げてのもの。得意の東京芝1600mで逃げればまだ好走できることを証明しました。

3着ホウオウビスケッツ岩田康成騎手も、スタートして内に入れていました。
岩田康誠騎手×奥村武厩舎のコンビもおなじみ。

さて、人気のマスクトディーヴァですが、ゲート内で接触したため、ゲートの開きが遅くなるアクシデントも。これは、ゲートの仕様ですので、しょうがない部分もあります。
どうしてもスタートで遅れてしまう同馬。
強い内容ではありますが、ゲート難が解消されないと「強いけど勝ちきれない馬」になってしまう可能性もあります。
力はあるだけに、巻き返しを期待したいですね。

 

今回はこんなところで。

皆様、雪道には気を付けてください。

如月の風に吹かれて

気がつけば今年も1ヶ月が経ってしまいました。

元日から能登半島地震という痛ましい災害から始まった2024年。プライベートでも大変なことがあり、正直気が滅入るスタートでした。

ともあれ、今日から2月。2月としては暖かい陽気、との予報でしたが、風が吹くとそうでもない気が。

2月から様々な面で良くなることを願います。

 

様々なことが起こっても粛々と開催された1月の競馬。

今年は本格的なダートJRA交流クラシック元年ということで、個人的な1月の競馬のトピックとしては、船橋で行われたブルーバードカップになります。こちらで思ったことは後日述べるとして、ダート競馬路線改革を成功させるには、まず生え抜きの地方馬を強くしなければならないというのがあります。そして、クラシックで活躍した地方馬が、古馬になっても活躍する。そのための仕組みが必要と思っています。

さて、そのダート競馬路線改革の一環として、本来1月下旬に行われていた川崎記念が4月に移行。代わりに報知オールスターカップが1月下旬(年によっては2月上旬)に行われることとなりました。

本日は、その報知オールスターカップの日。

出走馬を見ると、南関東競馬生え抜きはヒーローコールのみ。昨年の南関東クラシックを盛り上げてくれた同馬。そういうこともあり、ここでは頑張ってもらいたいという気持ちでいっぱいです。

 

今回はこんなところで。

シルクホースクラブ一口価格10万円未満の中からおすすめする馬

一口馬主をやっている人なら、募集価格がそのまま戦績に反映されるものではないことは誰もが知るところ。シルクでいえば、アーモンドアイ(一口6万円)、イクイノックス(一口8万円)、インディチャンプ(一口7万円)、ブラストワンピース(一口4万円)と、歴代獲得賞金上位4頭がいずれも一口価格10万円未満の馬。
出資する以上、走るのなら安い方がよりいいのは当たり前。
ということで、一口価格10万円未満からおすすめの馬を紹介します。

 

 

16ユキチャンの22

父:ドレフォン 母の父:クロフネ 牝馬 武井亮厩舎
母は白毛シラユキヒメ一族を代表する繁殖牝馬
同馬は白毛ではないものの、人気はかなりある様子。
というのも、トモの筋肉が見事であるから。トモ以外も、肩、胸前といった全体的な筋肉量は豊富。それでいながらごつくなりすぎず綺麗に見せているのは、名繁殖牝馬ユキチャンの仔だからか。
気性は穏やかでありながら、俊敏性に富んでおり、スピード能力もかなりのものがありそう。
ダート・芝どちらもこなせるイメージ。

22プロミストリープの22

父:ナダル 母の父:ヘニーヒューズ 牝馬 上原佑紀厩舎
2歳時でも400キロに満たない半姉とは異なり、1歳夏までの時点ですでに456キロ。半姉が初仔であるうえにあまり大きな仔を出さないオルフェーヴル産駒であるのに対し、こちらは馬格のあるナダルということで、違いが出たのであろう。
肩回りとトモの筋肉量が豊富で、ダッシュ力がありそう。
おそらく適性はダート短距離。しかも早い時期から動けそう。
JRAだと早い時期にいい番組がないが(JRA側の怠慢とも言えるが)、ダート短距離なら牡馬混合でも上位に行けるだけの資質は秘めていると思う。
あるいは母と同じく南関東に転厩という手も?
上原佑紀師は有望な若手調教師。覚えておいて損はない。

30ロッテンマイヤーの22

父:アドマイヤマーズ 母の父:クロフネ 牝馬 新規開業厩舎(森厩舎)
ゆったりとした腹袋を持ちながら、全体的には品のある馬体に見せているのは、ビワハイジの血を引くからか。
前進気勢があり、ボス的存在の一頭でありながら、オフのときはゆったりとできるそうで、調整しやすそう。
動画で見ると、前脚の出が硬いが、母もそうであったようなので、そこまで心配しなくてもいいのかもしれない。
なお、厩舎の森師は堀厩舎出身。

33シャンハイロックの22

父:シルバーステート 母の父:ロックオブジブラルタル 牡馬 宮田敬介厩舎
臀部やトモの筋肉が見事。馬体のフレームは半兄ジェネラーレウーノにも似ている。
歩様はパワフル。
今後さらに成長すれば、兄同様の活躍も。

39トレジャーステイトの22

父:フィエールマン 母の父:Oasis Dream 牡馬 手塚貴之厩舎
今回の一番人気。半兄に重賞馬ピースオブエイトがいて、母の出産時年齢等がよく、馬体の測尺もちょうどよいサイズ。さらに父と同じ手塚厩舎で、一口10万円未満とお手頃価格。馬体を見る前から人気だったのが、カタログが送られてきたらさらに人気に。
滑らかで推進力ある前脚の出。全体的に美しいフレーム。可動域が広くダイナミックなフットワーク。
現状まだ後ろ側に寂しさがあるものの、成長の余地は十分。
一番人気なのも納得できる。

52ガルデルスリールの22

父:ハービンジャー 母の父:ダイワメジャー 牡馬 池江泰寿厩舎
カタログだとあばらが浮き出て見えたが、肩や臀部当たりの筋肉量自体はしっかりとある。
むしろ、皮膚の美しさに目が行き、健康面での心配は少ないと思われる。
可動域の広さと緩さがいいバランス。
あとは背中あたりに筋肉がつけば。

54ステップオブダンスの22

父:ドレフォン 母の父:ゴールドアリュール 牡馬 高野友和厩舎
胸、腹、臀部の筋肉量が豊富。背中のラインと腹のラインが綺麗に上がっており、走るドレフォン産駒の特徴も出ている。
踏み込みもしっかりとしており、可動域も広め。ブレが少なくドレフォン産駒らしい体幹の強さも見せる。
繋ぎや歩様、血統からダート適性はかなりのもの。
やや寂しく映る頸、肩回りは、ゴールドアリュールの血が入っているなら今後力強く成長すると思われる。
厩舎は牝馬に良績が多く、ダートのイメージは少ないものの、師の出自を考えればダートでもやれるはず。
ロジータ記念を勝った母の代表的な産駒となりたい。

59メリーウィドウの22

父:ナダル 母の父:ゴールドアリュール 牝馬 西村真幸厩舎
1歳夏前で牝馬でありながら510キロ超え。それでいながら、いい意味で大きさを感じさせないバランスがとれた馬体をしている。
しかも、動きは力強さもありつつ滑らか。首の使い方も上手。
母メリーウィドウは初仔ジュディッタ(父ダノンレジェンド)を見たときからいい繁殖牝馬になると思った馬。その後も勝ちあがる仔ばかり出しており、隠れ名繁殖牝馬といえる。
かなりお買い得な一頭。

63アドマイヤアローの22

父:ヘニーヒューズ 母の父:ワークフォース 牡馬 渡辺薫彦厩舎
カタログ時にはやや寂しく見えたが、それは関節洗浄の手術をして筋肉が落ちたから。7月下旬のツアー時には見違えるような馬体をしていたと聞く。
寂しく見えたカタログ時でも、ヘニーヒューズ産駒の特徴である高く盛り上がった臀部をしていた同馬。筋肉が戻ってきたのなら、ダートで好成績をあげられるだろう。

67ギエムの22

父:アドマイヤマーズ 母の父:Medaglia d'Oro 牡馬 藤原英昭厩舎
前後のバランスがとれ、フレームは綺麗。
まだ緩さがあり、歩様のバランスはバラバラに映るが、俊敏さを感じる。
藤原英昭師が結構気に入っている様子。

68モルジアナの22

父:サートゥルナーリア 母の父:Dubawi 牡馬 新規開業厩舎(福永厩舎)
モルジアナの仔らしい筋骨隆々な馬体。それでいてごつごつせずバランスがとれて見えるのは、サートゥルナーリア産駒だからであろうか。
踏み込みの力強さ、リズミカルな歩様も好感。
やや気性面に問題がありそうだが、スピード能力で圧倒すれば。
厩舎はかなり期待されている福永祐一師。

69マルーンエンブレムの22

父:スワーヴリチャード 母の父:オルフェーヴル 牡馬 武英智厩舎
コンパクトでありながら筋肉が詰まった感じに見えるのがスワーヴリチャード産駒っぽい。
気性は激しいが、それが前進気勢にもつながっている模様。
トモに力強さが加われば、さらに良くなる。

70パールデューの22

父:スワーヴリチャード 母の父:キングカメハメハ 牝馬 庄野靖志厩舎
マルーンエンブレム同様コンパクトではあるが、滑らかさも加わっているのは母の父がキングカメハメハだからか。
肌の感じも良く、さらに筋肉がつけば。

76ソーディヴァインの22

父:アジアエクスプレス 母の父:キンシャサノキセキ 牡馬 野中賢二厩舎
骨太で雄大な馬体はいかにもアジアエクスプレス産駒。
歩様は硬めも、ダート馬と考えれば納得。
健康面の不安も少なく、長く走ってくれそう。

シルク募集馬申込数最終中間発表(8月3日)で名前が出ていない中からおすすめする馬

シルク、キャロットといったノーザン系の多数口クラブは大人気。
そのため、シルクの最終中間発表で名前が出ていない馬は、募集馬77頭中16頭と、それほど多くありません。
応募が少ない=人気がないのは確かですが、1歳馬時点での人気と馬の実力が比例するものではないことは、競馬をやっている人なら誰もがわかるところ。
今回は、最終中間発表で名前の出ていない馬の中から3頭選びました。
最終中間発表で名前が出ていないということは、抽優を使えばほぼ確実に出資できるので、確実に出資したい、そのうえでできるだけ当たりを引きたいという方は、今回の記事を見ていただければと思います。

なお、順番はおすすめ順です。

 

 

41.アグレアーブルの22

父:ビッグアーサー 母の父:マンハッタンカフェ 牝馬 新規開業厩舎(矢嶋厩舎)

サイズが小さく、関東の新規開業厩舎が不明なので、敬遠されたのでしょう。
確かに薄くは見えるものの、牝馬であることを考えれば、ぎりぎり許容できるもの。馬体の前後のバランス自体はいいです。
身体の割に後肢の踏み込みは力強く、リズミカル。スピード能力を感じさせます。
体重が増えにくいのは気性面が影響していると思われますが、大人になってくれば解消されそう。
俊敏さで芝短距離を沸かせる存在になる可能性は十分にあります。
なお、入る厩舎は手塚厩舎にいた矢嶋師になる模様。シルクの1歳馬ツアーにも師自ら来ていたようです。アピール含めて期待している証拠とも言えますね。

 

29.エイシンシルダリアの22

父:アドマイヤマーズ 母の父:キングカメハメハ 牡馬 高橋文雅厩舎

サイズが小さく、生産者が非社台系なのが不人気の理由と思われます。
ただ、サイズ以上に大きく見せるうえに、身体のフレームは父であるアドマイヤマーズを想起させます。
動画ではキビキビとした動きを披露。臀部からのキック力もある感じでした。
筋肉量はまだ足りていませんが、こちらはトレーニングや成長によって増えてくるもの。将来的には父アドマイヤマーズのようになる可能性もあります。
厩舎に不安がある人もいらっしゃいますでしょうが、値段を考えれば悪くはないと思います。

 

7.チリ―シルバーの22

父:オルフェーヴル 母の父:Malibu Moon 牝馬 深山雅史厩舎

この馬も馬体のサイズが小さいことから不人気であると思われます。
ただ、小柄な馬が多いオルフェーヴル産駒の牝馬と考えれば大きさはそこまで気にすることはないかもしれません。
むしろ筋肉はかなりついているように見えますし、毛艶も良し。動きはやや硬さがありますが、力強さやリズム感もあります。血統を考えればダート適性も高そうなので、歩様の硬さもむしろ利点と言えます。
サイズさえ気にしなければおもしろい一頭かもしれません。

救世主

なぜ南関東クラシックを廃止しないといけないんだ。

NARとJRAで統一的なダートの三冠設立。その意義は、日本のダート競馬の世界的な地位向上等理解できるものではある。
ただ、そのために、南関東競馬で働いている者にとって目標であり、誇りである南関東クラシックを廃止する必要はあったのか。納得はいかなかった。

モヤモヤした思いを抱えたまま見ていた最後の南関東クラシック。
そんな中現れたのが、ミックファイアだった。
パドックでは見ていられないほどの激しい入れ込み。それが、レースになると、目を奪われるほどのスピードを見せての圧勝。いくら高速馬場とはいえ、羽田盃東京ダービーも2着に6馬身差をつけるースレコードなのだから、文句のつけようがない。
激しさと強さ。レース内容含めて魅力たっぷりの馬であった。

そんなミックファイアについて、東京ダービーの前に、このように語る人もいた。
「ミックファイアは南関東クラシック最後の年に現れた救世主だ」と。
その言葉を目にし、観戦した東京ダービー。そこでの圧勝劇を見て、ミックファイアは南関東クラシックが無くなることについてのモヤモヤを晴らしてくれる、まさに救世主のような存在だと思えた。
だからこそ大事なのは、次のジャパンダートダービー。そこで負けては、何の救いもなくなる。

迎えたジャパンダートダービー
あえて緩めず計算しながらも飛ばした武豊とミトノオーの逃げ。それをミックファイアは、残り200mで捉え、後ろから来るキリンジの追撃も抑えて勝利。
ハイペースを先行して追走し、上り3ハロンも最速なのだから、まさに完勝である。
トーシンブリザード以来の南関東クラシック無敗の三冠馬誕生。これをもって、南関東クラシックは終焉する。
これまでの南関東クラシックを支えてきた先人たちへの感謝の念と、来年からのダート三冠路線でもJRA勢に負けないという誓い。ミックファイアの三冠達成は、南関東競馬で働く人たちの想いを救うものだったといえる。

来年のダート三冠では、ミックファイアのような馬を育てて、JRA勢を返り討ちにしてやる。俺たちが目標ととしてきた羽田盃を、東京ダービーを、俺たちの馬で勝つんだ。
地方競馬に灯った希望の光。
そんな希望を持たせたミックファイアは、やはり救世主だったのだ。

続・モーリス産駒から考える血統論

文字だらけで一般的ではない競馬のことばかり書いているブログですけど、そんな中でもそれなりに閲覧されている記事もあるんです。
そのひとつが「モーリス産駒のワンツーから考える血統論」。

keiba-gyoseisyoshi.hatenablog.com2年半前の記事ですけど、今でもちょくちょく読んでくれる方がいるようです。
これも、モーリスのおかげでしょうか。それとも、血統論だからでしょうか。

とにもかくにも、ブラッドスポーツたる競馬において、血統論というのは重要なものであるのは間違いないところです。
また、種牡馬モーリスというのも、論ずる人によって良し悪しの幅が広いように感じます。
オーストラリアとはいえ、早くもモーリスの後継種牡馬が誕生したこともあり、改めてモーリスを題材としつつ、自分の血統に関する考えを記そうと思います。

 

続編を書こうと思ったのは、JRAで今年の2歳新馬戦が始まってから、話題となっている種牡馬がブリックスアンドモルタルかモーリスだからです。
ブリックスアンドモルタルは、吉田照哉さんがアメリカの年度代表馬となる前に日本で種牡馬にすることを決め、購入した馬。今年の2歳が初産駒で、早くも2勝をあげる活躍ぶりです。
そんなブリックスアンドモルタルと同じくらい、いや、それ以上に話題となっていたのが、モーリス。というのも、調教で動いている馬が多かったからです。
JRAで行われた11の新馬戦のうち、半分近くの5つがモーリス産駒が一番人気に。そのうち3勝をあげました。
この結果について、3勝あげているのだから凄いという評価と、2つ抜けた一番人気で負けているのだから(しかもひとつはシンガリ負け)、モーリス産駒は早い時期の新馬戦で当てにならないという評価と二分される事態に。ただ、それは血統論の本質ではないので(緩い馬が多い、晩成傾向にあるなど血統の話になりそうなところはあるけど)、ここでは割愛。
気になったのは、エリカエスティームが負けたときに、以下の内容の意見が見られてことでした。
「モーリス産駒はサンデーサイレンスのインクロスがないと、切れ味がなく、府中で負ける」と。

前回の「モーリス産駒のー」の際に書きましたが、モーリス産駒の約7割がサンデーサイレンスのインクロス持ち。なぜそんなに多いのかといえば、モーリスの父の母の父がサンデーサイレンスであり、近年繁殖牝馬の主となっているサンデーサイレンスの孫と配合する際に、いわゆる奇跡の血量である4×3のインクロスが発生するから。
自分も血統論は大好きですし、トウショウボーイ好きとしては「奇跡の血量」理論はロマンある話だと思っています。
ただ、科学的に4×3(3×4)だと走る馬が生まれやすい理由なんて、ありません。別のインクロスでも走る馬はいますし、5代血統表上でインブリードが発生していない馬でも走るのは当然います。
そんな中、モーリス産駒を見てみると、日本国内でG1を勝った3頭のうち2頭がサンデーサイレンスのインクロスがない馬でした。また、オーストラリアでの話だから当たり前かもしれませんが、オーストラリアでG1を勝った馬2頭も、サンデーサイレンスのインクロスがありませんでした(そのうちの1頭が種牡馬になると発表されたばかり)。さらに、今年の新馬を勝った馬のうち1頭はやはりサンデーサイレンスのインクロスがありませんでした。
でも、印象論としては、サンデーサイレンスのインクロスがある方が走る馬が出やすいという風潮になっています。

改めて言いますけど、自分はサンデーサイレンスのインクロスを否定するつもりはありません。
牝馬クロスとかニアリークロスとか述べるのが大好きな人でもありますし。
ただ、インブリード自体は諸刃の剣だということを忘れないでもらいたいのです。天才も生まれるかもしれないが、健康面で問題のある仔が生まれる可能性も高くなる点で。
ちなみに、血統研究家がつぶやいていました。
「血統論は完全な後付け」と。
では、まったく血統論がいらないかというと、それも違うのだと思います。
何度も言います。競馬はブラッドスポーツです。だから、これまで血統論を研究する、あるいは速い仔が生まれることを意図して多くの生産者が配合をしてきたわけです。そして、血統研究家が「後付け」とはいえ、走る馬が多い配合を見つけ、後の配合に活かすよう発表してきたわけです。
科学的根拠が薄いとはいえ、その営みが無価値であるとは、到底思えません。
なので、前回も書きましたが、血統論に対しては、一方で信じ、他方で疑うという態度が必要なのだと思います。
競馬好きが血統論を語るのは、競馬のロマンから来るものでもありますし。

ただ、気をつけてもらいたい点が2つ。
1つ目は、先も述べましたが、インブリードは諸刃の剣であるということ。
もうひとつは、「走る血統論」と「走ってもらいたい血統論」は違うということ。そして、しばしば生産で重宝されるのは「走ってもらいたい血統論」の方であるということです。生産者は買ってもらってなんぼですから、本当は走るけど血統表からはわかりにくい馬より、本当は走らないのに血統表では走りそう・走ってもらいたい字面の馬の方が売れる以上、そちらを重視するので。
だから、改めて。血統論は、一方で信じ、他方で疑ってかかりましょう。
そう、このブログに書いてあることも()

最後の東京ダービー

ダービー。それは、ホースマンなら誰もが勝ちたいと願う、憧れのレース。
おらが村にそれぞれ「ダービー」があり、そのコミュニティに属する者は、おらが村のダービーをなにより勝ちたいと願う。エプソムの「The Derby」をはじめ、アメリカならケンタッキーダービーJRAなら日本ダービーといったように。南関東なら、東京ダービーだ。
だからこそ、いち南関東競馬ファンとしては、未だに統一ダート3冠をはじめとするダート改革案には拒絶の思いを抱いている。なぜ南関東クラシックを崩してまで東京ダービーを交流レースにしなければいけないのか。
もちろん、改革案の意義を理解することはできる。ダート競馬の地位向上だって必須だ。
それでも、やりきれない思いが強い。

だから、自分にとっては今年が最後の東京ダービー
その舞台に、誰よりも東京ダービーへ強い想いを持つ的場文男騎手がいないのは寂しいけど。

とはいっても、羽田盃で驚異的なパフォーマンスを見せた無敗のミックファイア。
今回は究極に仕上げるヒーローコール。
その他も多士済々の面々が揃った。

それなら、せめて前向きに楽しもうか。
そして、来季からの交流となる東京ダービーでも、JRA勢に負けない馬が誕生することを願って。

いろいろ書くと長くなるので、これにて。
最後の東京ダービーが、いい勝負でありますように。
そして、何より全馬無事完走を。