オグリキャップをもう一度

競馬好きの行政書士が競馬について気ままに書くブログ 馬主申請の代行も行っております

続・モーリス産駒から考える血統論

文字だらけで一般的ではない競馬のことばかり書いているブログですけど、そんな中でもそれなりに閲覧されている記事もあるんです。
そのひとつが「モーリス産駒のワンツーから考える血統論」。

keiba-gyoseisyoshi.hatenablog.com2年半前の記事ですけど、今でもちょくちょく読んでくれる方がいるようです。
これも、モーリスのおかげでしょうか。それとも、血統論だからでしょうか。

とにもかくにも、ブラッドスポーツたる競馬において、血統論というのは重要なものであるのは間違いないところです。
また、種牡馬モーリスというのも、論ずる人によって良し悪しの幅が広いように感じます。
オーストラリアとはいえ、早くもモーリスの後継種牡馬が誕生したこともあり、改めてモーリスを題材としつつ、自分の血統に関する考えを記そうと思います。

 

続編を書こうと思ったのは、JRAで今年の2歳新馬戦が始まってから、話題となっている種牡馬がブリックスアンドモルタルかモーリスだからです。
ブリックスアンドモルタルは、吉田照哉さんがアメリカの年度代表馬となる前に日本で種牡馬にすることを決め、購入した馬。今年の2歳が初産駒で、早くも2勝をあげる活躍ぶりです。
そんなブリックスアンドモルタルと同じくらい、いや、それ以上に話題となっていたのが、モーリス。というのも、調教で動いている馬が多かったからです。
JRAで行われた11の新馬戦のうち、半分近くの5つがモーリス産駒が一番人気に。そのうち3勝をあげました。
この結果について、3勝あげているのだから凄いという評価と、2つ抜けた一番人気で負けているのだから(しかもひとつはシンガリ負け)、モーリス産駒は早い時期の新馬戦で当てにならないという評価と二分される事態に。ただ、それは血統論の本質ではないので(緩い馬が多い、晩成傾向にあるなど血統の話になりそうなところはあるけど)、ここでは割愛。
気になったのは、エリカエスティームが負けたときに、以下の内容の意見が見られてことでした。
「モーリス産駒はサンデーサイレンスのインクロスがないと、切れ味がなく、府中で負ける」と。

前回の「モーリス産駒のー」の際に書きましたが、モーリス産駒の約7割がサンデーサイレンスのインクロス持ち。なぜそんなに多いのかといえば、モーリスの父の母の父がサンデーサイレンスであり、近年繁殖牝馬の主となっているサンデーサイレンスの孫と配合する際に、いわゆる奇跡の血量である4×3のインクロスが発生するから。
自分も血統論は大好きですし、トウショウボーイ好きとしては「奇跡の血量」理論はロマンある話だと思っています。
ただ、科学的に4×3(3×4)だと走る馬が生まれやすい理由なんて、ありません。別のインクロスでも走る馬はいますし、5代血統表上でインブリードが発生していない馬でも走るのは当然います。
そんな中、モーリス産駒を見てみると、日本国内でG1を勝った3頭のうち2頭がサンデーサイレンスのインクロスがない馬でした。また、オーストラリアでの話だから当たり前かもしれませんが、オーストラリアでG1を勝った馬2頭も、サンデーサイレンスのインクロスがありませんでした(そのうちの1頭が種牡馬になると発表されたばかり)。さらに、今年の新馬を勝った馬のうち1頭はやはりサンデーサイレンスのインクロスがありませんでした。
でも、印象論としては、サンデーサイレンスのインクロスがある方が走る馬が出やすいという風潮になっています。

改めて言いますけど、自分はサンデーサイレンスのインクロスを否定するつもりはありません。
牝馬クロスとかニアリークロスとか述べるのが大好きな人でもありますし。
ただ、インブリード自体は諸刃の剣だということを忘れないでもらいたいのです。天才も生まれるかもしれないが、健康面で問題のある仔が生まれる可能性も高くなる点で。
ちなみに、血統研究家がつぶやいていました。
「血統論は完全な後付け」と。
では、まったく血統論がいらないかというと、それも違うのだと思います。
何度も言います。競馬はブラッドスポーツです。だから、これまで血統論を研究する、あるいは速い仔が生まれることを意図して多くの生産者が配合をしてきたわけです。そして、血統研究家が「後付け」とはいえ、走る馬が多い配合を見つけ、後の配合に活かすよう発表してきたわけです。
科学的根拠が薄いとはいえ、その営みが無価値であるとは、到底思えません。
なので、前回も書きましたが、血統論に対しては、一方で信じ、他方で疑うという態度が必要なのだと思います。
競馬好きが血統論を語るのは、競馬のロマンから来るものでもありますし。

ただ、気をつけてもらいたい点が2つ。
1つ目は、先も述べましたが、インブリードは諸刃の剣であるということ。
もうひとつは、「走る血統論」と「走ってもらいたい血統論」は違うということ。そして、しばしば生産で重宝されるのは「走ってもらいたい血統論」の方であるということです。生産者は買ってもらってなんぼですから、本当は走るけど血統表からはわかりにくい馬より、本当は走らないのに血統表では走りそう・走ってもらいたい字面の馬の方が売れる以上、そちらを重視するので。
だから、改めて。血統論は、一方で信じ、他方で疑ってかかりましょう。
そう、このブログに書いてあることも()