クロノジェネシスの完勝だった。
土曜日の雪のため、月曜に順延されたクイーンカップ。
心配された降雪もなく乾いた馬場は、速い時計が出るものであったにせよ、上り3F33秒1。阪神ジュベナイルフィリーズ2着馬の名にたがわぬ勝ち方だった。
そのクロノジェネシス以上の脚を繰り出したのが、ビーチサンバ。
出遅れ、クロノジェネシスを捉えることはできなかったが、それでも2着を確保。こちらも阪神ジュベナイルフィリーズ3着馬の面目を保った。
このクロノジェネシスとビーチサンバは、牝系を共通している。それが、ラステイックベルだ。
日本ではフサイチエアデール→ライラプス、フサイチリシャールと続くファミリーラインが有名。
ビーチサンバもフサイチエアデールの産駒。そう考えると、フサイチエアデールは息の長い優秀な繁殖牝馬と言える。
最近ではフサイチエアデールを経由しなくても、紫苑ステークスを勝ったノームコア(クロノジェネシスの姉)を出すなど、特に牝馬戦線で活発となっている。
このラスティックベル牝系の特徴として挙げられるのが、早い時期から走ること。
フサイチエアデールはシンザン記念、報知杯4歳牝馬特別を勝ち、JRAの桜花賞2着。ライラプスはクイーンカップ、フサイチリシャールは朝日杯フューチュリティステークスを勝っている。そして、今回のクイーンカップでのワンツー。
このように、春のクラシック戦線までに結果を出している。
これは、おそらくスピード能力が優れているからであろう。
半面、成長力に乏しいというか、その後のクラシックで惜敗することが多い。3歳以降のG1で勝てていないのだ。
さて、今回のクロノジェネシスとビーチサンバ。レースぶりを見れば、このメンバーでは力が抜けていた。
でも、本番は桜花賞や優駿牝馬だ。阪神ジュベナイルフィリーズで対戦し敗れたダノンファンタジーや、グランアレグリアなど、強豪も出走する。
その時、彼女たちは、勝利のベルを鳴らすことができるだろうか。