平成最後のジャパンカップでは、ものすごい時計が出ましたね。2分20秒6。2400mの世界レコードです。
思えば、平成最初のジャパンカップも、世界レコードでした。2分22秒2。このブログのタイトルにもなっているオグリキャップと、南半球から来た芦毛の牝馬ホーリックスとのたたき合い。熱戦と破格の時計に、東京競馬場の観客は興奮を抑えきれないでいました。
あれから29年。平成最後のジャパンカップでも、破格の世界レコードが出たなんて、何だか面白いですね。
その世界レコードをたたき出したのが、アーモンドアイ。圧倒的な強さで牝馬三冠のみならず、ジャパンカップをも制してしまいました。
アーモンドアイの父親は、もう知っているかと思いますが、ロードカナロアです。
そして、前の週のマイルチャンピオンシップを制したステルヴィオの父親もまた、ロードカナロアでした。
ロードカナロアは、種牡馬として、初年度産駒がまだ3歳の時点でG1を5勝。まあ凄い。
個人的に種牡馬としてのロードカナロアの特徴は①しなやかなスピードと②繁殖牝馬の特徴を出すことだと思っています。
①につきましては、現役時代から世界のスプリンターとして名をはせたわけですから、そのスピードを存分に産駒にも継がせております。ただ、ロードカナロア自身がやや晩成であったように、若いときはしなやかさが緩さとなってしまい、非力というか、うまくスピードを活かせない状態になることもあります。
そうならないために、②が重要になるのです。
ステルヴィオとアーモンドアイの血統構成は、ⓐ母方にサンデーサイレンスの血が入っている、ⓑSpecialのクロス(ステルヴィオはFairy King、アーモンドアイはNureyevを通じてですが)がある点で似ています(まあ、そんな馬は結構いますけど)。
ⓐサンデーもしなやかなスピードを持っていますが、同時に早い時期から動ける能力も伝えます。しかも、もともとアメリカのダートで走っていた馬ですから、パワーがないわけではありません。
そして、ⓑ世界的名牝のSpecialのクロスでパワーを受け継がせ、非力さを補っております。
(※ただ、現在ではSadler's Wellsを通じてのSpecialクロスを持った馬はあまり走っていない印象です。これは、Sadler's Wells自体が晩成傾向にあって本格化がこれからであるからか、Sadler's Wellsの重さがお互いの長所を消しているからかのどちらかでしょう。4歳になる来年以降も見てみないといけませんね。)
このように、ロードカナロアの中でパワーを持っている血を刺激することで、緩さを解消し、よりスピードを活かすことが可能になるのです。
②繁殖牝馬の特徴を出す、という点では、母が早い時期に活躍した馬のほうが、子も早い時期から活躍する傾向にあります。フサイチパンドラも阪神ジュベナイルフィリーズを2着でしたから。
ここら辺は、POGでは重要なポイントになるかもしれません。
と、まあステルヴィオとアーモンドアイの血統を見てきましたが、両頭とも上記以外にも血統的にいろいろと面白いところがありますので、いずれ独立して書こうかと思います。
種付け量が1500万円になりましたし、今後もロードカナロア産駒からは目が離せませんね。