ローレル賞を勝ったアークヴィグラス。チャンピオンズカップを勝ったルヴァンスレーヴ。ともに、ファンシミンの牝系という共通点があります。
ファンシミンは1972年に社台グループがアメリカから輸入してきた繁殖牝馬。産駒のシャダイマイン、ファンシーダイナが優秀な繁殖成績を収め、社台の伝統的な牝系の一つとなりました。
個人的なファンシミン牝系の印象は、長く脚を使える産駒が多いということ。
ただ、同時に2、3着も多い(特に大きいレースで)というイメージもありました。
ただ、そこから代を重ねることで、ダートに強いという特徴も出てきました。持続力が要求されるダートにおいて、長く脚が使えるという特徴がマッチしたのでしょう。
ルヴァンスレーヴにしろ、アークヴィグラスにしろ、そのダートに強いというのを最大限に活かした配合になっているように思えます。
ルヴァンスレーヴの配合で特徴的なのは、Robertoのクロス。スピード、パワー、タフな大きいレースでこそ爆発する能力は、このRobertoクロスによるところだと思います。
加えて、Robertoをさらに活かす仕掛けとして、ティンバーカントリー(Mr.Prospector)を、シンボリクリスエスの緩さを解消し、パワー寄りにもっていくために、サンデーサイレンスとノーザンテーストの血を活用するなど、ダート界のチャンピオンにしようという意図が明確に読み取れます。
アークヴィグラスの配合は、今までのサウスヴィグラス産駒が走る配合(母に強いクロスがある、DanzigやMr.Prospector持ちであるなど)ではありません。
ただ、サウスヴィグラス×フジキセキ+ファンシミン牝系というのはダート向きのスピードがある産駒が出ることを期待してのものと言えます。
初仔ということもあって馬体は小さいですが、ファンシミン牝系であることを考えると、今後成長する可能性は大いにあります。
ファンシミン牝系ではほかにもダートで底を見せていないチュウワウィザード等がいます。
そして、個人的に楽しみなのが、12月8日にデビュー予定のアイキャンテーラー。フリオーソ産駒ということで、Robertoの強烈なクロスが成立しております。フリオーソ産駒は繁殖牝馬の質の割に走っている印象を受けますので、ファンシミン一族の血があれば、大物が出てもおかしくないと思っています。
今後のダート界は、ファンシミン牝系の馬に注目したいですね。