オグリキャップをもう一度

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ながくつづくもの

柴田善臣騎手が8月8日にレパードSを勝ち、JRAの最年長重賞勝利記録を更新しました。
そうしたら、翌日9日にクラスターCでまたしても柴田善臣騎手が勝利。2日連続で重賞勝ちを収めたとともに、またもやJRA最年長重賞勝利記録を更新。
55歳にして2日連続重賞制覇、しかもJRA最年長重賞勝利記録更新のおまけつきというのですから、大したものです。
特に、クラスターCで内を突いて差してきた騎乗は見事でした。
ベテランの腕健在、といったところですね。

柴田善臣騎手がレパードSに乗っていたのがメイショウムラクモ、クラスターCに乗っていたのがリュウノユキナ。
今回は、その2頭の血統について書いてみます。

 

メイショウムラクモの輸入基礎牝馬はフロリースカツプといいます。
1907年、小岩井農場が「日本でも優秀な馬を」ということで、イギリスから基礎牝馬として良血な牝馬を20頭輸入してきました。そのうちの一頭がフロリースカツプでした。
フロリースカツプの牝系からはコダマやキタノカチドキニホンピロウイナーシスタートウショウスペシャルウィークウオッカなど名馬が多数出ております。
最近では、以前日記に書きましたが、レイパパレがこの牝系の出。

またまたこの牝系から活躍馬が出たことになります。

フロリースカツプの牝系でも特に活躍馬が多いのがライトフレームのファミリー。メイショウムラクモもこのライトフレームのファミリーですし、先ほど挙げた馬ではキタノカチドキニホンピロウイナーがそこに名を連ねております。
ニホンピロウイナー産駒と言ったらやはりヤマニンゼファー安田記念柴田善臣騎手に初G1制覇をもたらした馬でした。
柴田善臣騎手は、またライトフレームの血を持った馬で記録と作ったことになるわけです。
 

フロリースカツプ以外にも小岩井農場が輸入してきた繁殖牝馬は優秀でした。前日書いたプロポンチスもその一頭です。
その中でも、フロリースカツプと同じくらい繁栄した優秀な牝系が、ビユーチフルドリーマー系です。
フロリースカツプがコダマなら、ビユーチフルドリーマーからはシンザン。フロリースカツプがニホンピロウイナーなら、ビユーチフルドリーマーからはニッポーテイオー
シンザンという日本史上最大の名馬を輩出していることもあり、ビユーチフルドリーマーは岩手競馬でレース名になるくらい日本競馬に多大なる貢献をしてきました。
そんなビユーチフルドリーマー系は、近年ではワールドハヤブサを導入した千代田牧場を中心に残っています。
リュウノユキナは生産者こそ千代田牧場ではなく藤川ファームですが、ワールドハヤブサを祖とする馬。祖母ナギサは京都牝馬特別で2着になるなど重賞で活躍した名馬でした。
近年でもスマハマやグレイトパールなど活躍馬はいるものの、フロリースカツプ系に比べるとやや地味な印象のビユーチフルドリーマー系。それでもリュウノユキナのように6歳になってさらに強くなる馬を出すなど、底力は健在。
リュウノユキナは父ヴァーミリオンでもあり、ぜひとも種牡馬となってその血を残してもらいたい血統だと思っています。

 

ベテラン柴田善臣騎手の偉業を支えたのが日本の伝統的な牝系出身の2頭なのも、歴史が積み重なり繋いでいく競馬のロマンを表しているように感じます。そして、これだけ柴田善臣騎手の騎手生活やフロリースカツプ、ビユーチフルドリーマーの牝系が長く続いているのも、そこに確かな実力があるからなんでしょう。
これからも、ながくつづきますように。