オグリキャップをもう一度

競馬好きの行政書士が競馬について気ままに書くブログ 馬主申請の代行も行っております

競馬は難しい。から、

競馬って難しい。
と書くと、馬券が当たらないから難しい、と思う人も多いだろう。
確かに、ギャンブルの観点からも、競馬は難しい。実際、8日からの三連休、自分は当たらなかったし。

ただ、今回競馬は難しいと感じたのは、ギャンブルの話ではない。馬という、人とは異なる生き物を扱うことについてである。

 

毎日王冠は、レッドベルオーブの逃げで進んだ。
ただ、その逃げは、暴走しそうな馬を必死になだめる形でのものだった。
結果的にレッドベルオーブはスタミナをロスし、大敗。この騎乗には、前走の伏線となった逃げ切り勝ちも含めて、いろいろな意見が噴出している。
毎日王冠の前走、小倉日経オープンを大逃げで逃げ切ったレッドベルオーブ。怪我もあった素質馬の嬉しい久しぶりの勝利であったが、このレースぶりには批判もあった。すなわち、これまでは気性的に難しいレッドベルオーブをなだめるよう勉強させながらレースをしていたのに、今回の逃げで今までの苦労が無駄になってしまった、と。
気性面で問題がある馬が、抑える勉強をしていたのに、矯正途上で一転自由に逃げさせたら、もう抑えることなどできなくなる。
だから、レッドベルオーブはもう自由に逃げるしか選択肢がなくなってしまった。

馬も人も、互いに何となく状況を知らせることはできる。
ただ、お互い違う生き物だ。人同士でさえ意思の疎通は誤解等招くことがあるのだから、馬と人とではすべて理解させて教え込むというのは無理だ。
長く教えて積み上げたものを崩すのは、ほんの一瞬。
そこに、競馬の難しさがある。

とはいえ、逃げの選択を責めるのも酷だ。
競馬は「次勝てる」と思っても、怪我等でその「次」がないこともある。勝てるときに勝てないと、もう勝利の女神に見放されることなんてざらにある。
だから、とにかく勝てるレースをしよう。
少なくとも勝った方が未来はある。崩れた先に別の未来があるかもしれないのだし。

勝ったサリオスは、一度崩れた馬だと思っていた。
それが、完全に立ち直った。
サリオスを復活させた陣営の努力は並大抵のことではなかったと思う。馬を扱うのが難しいのだから。
やはり競馬は難しい。
だからこそ、勝利の味は格別なのかもしれない。