父エピファネイア×母父キングカメハメハはニックスなんでしょうね
「stay home」で密を避けながら過ごさないといけない今日この頃。いかがお過ごしでしょうか。
新型コロナウイルス禍の世界ですが、世の中の産業を止めてはいけないため、競馬は続きます。お家で競馬。テレビとネットがあれば、全国の競馬が見られる時代です。そんなわけで、私は暇な時間競馬を見ている生活をしております。これも仕事ですから(言い訳)。
雨の中で行われたJRAの桜花賞。雨を切り裂いて差し切り勝ちを収めたのはデアリングタクトでした。
デビューから3連勝での桜花賞制覇。新星の誕生に競馬界は沸きました。
そのデアリングタクトの血統は、タイトルにあるように「父エピファネイア×母父キングカメハメハ」というもの。この組み合わせは他にもスカイグルーヴ(京成杯2着)やイズジョーノキセキ(忘れな草賞2着)、ヒバリ(オープン級)等がいるうえ、デビューした11頭中勝ったのが7頭。気づいている人もいるでしょうけど、ニックスと言っていいでしょう。
特徴的なのが牝馬が活躍しているということ。デアリングタクトもそうですし、前述のスカイグルーヴもイズジョーノキセキもヒバリも牝馬です。牝馬に限るとデビュー7頭のうち勝ちあがったのは6頭。しかも、桜花賞馬を含むという。これは驚異的なことだと思います。
もとからエピファネイアとキングカメハメハはニックスではないかと言われていました。そもそもエピファネイアの母シーザリオとキングカメハメハ系の相性はいいですから。その理由はSadler's WellsとNureyevのニアリークロスやマルゼンスキーとトライマイベストのニアリークロスなどによるものだというのはよく言われていることです。
ただ、こうも牝馬に偏っているのはどういうことでしょうか。特に、牝馬の活躍馬が出にくいと言われていたRoberto系のエピファネイアでそのような結果が出ているのは注目に値することだと思います。
理由の一つは、牝馬の方が仕上がりが早く、身体の緩さをしなやかさに転化できる、ということだと思います。おそらくエピファネイアは使われて良くなっていくタイプの種牡馬。しかも、緩さが出やすいキンカメの血が加わるとなると、3歳の春という時期だとまだ身体が出来上がっていない馬もいる。だけど、牝馬ならその欠点は出にくい。
もう一つは、シーザリオという牝馬の血を活性化させるからだと思われます。エピファネイア以外にもリオンディーズやサートゥルナーリアの母としても有名なシーザリオ。自身も日米芝のオークスを勝つ名牝でもありました。エピファネイアにしろリオンディーズにしろサートゥルナーリアにしろ、いかにもシーザリオの血を受け継いでいるという気性をしていました。その血が牝馬の活躍を導いているのではないでしょうか。
なお、加えてサンデーサイレンスの4×3クロスの有効性も指摘されてはいます。ただ、デビューした母父キンカメ牝馬7頭のうちサンデーの4×3クロスを持っている馬は6頭と、殆ど。活躍しているイズジョーノキセキはサンデーのクロスを持っていないのだから、必須ではないと思っています。まあ、あってマイナスではないと思いますが。
むしろ気になるのは、デアリングタクトとイズジョーノキセキがDanzig持ちだということ。早い時期からしっかりとしたスピードを持たせるのに有効なのかもしれません。そもそも現在の世界的Northern Dancer系の流行はSadler's WellsとDanzigによるものですから、その2頭を経由してのNorthern Dancerのクロスは互いの良さを引き出すのかもしれませんね。
まあ、ある程度エピファネイアとキングカメハメハのニックスは予想できたいたので、昨年の今頃は「レッドブロンクス(父エピファネイア母父キングカメハメハの牡馬)が活躍する」なんて言っていたんですけどね。総論成功各論失敗の典型例です。