今年のJRA牝馬クラシックは、デアリングタクトが見事に初の無配の三冠牝馬に輝きました。
秋華賞はやや早めに上がって行って、そのまま力強く伸びての勝利。陣営のプレッシャーはかなりのものがあったと思いますが、はねのけての三冠達成は、無敗の三冠牝馬にふさわしい強さでした。おめでとうございます。
デアリングタクトの生産者は長谷川牧場。年間の生産馬が5頭くらいの小さな牧場です。
ノーザンファーム全盛の時代に、こういう小規模な牧場から無敗の三冠牝馬が出るというのは、他の牧場にとっても励みになるでしょう。
他方で、ノーザンファームは今年の牝馬クラシックで不振を極めました。
リアアメリアやミヤマザクラなど人気になる馬こそ出ていましたが、複勝圏内に入ったのは桜花賞のレシステンシアの2着のみ。特に秋華賞ではディープインパクト産駒が2着、3着に入りましたが、いずれも非ノーザンファーム生産馬。ノーザンファーム生産のディープインパクト産駒3頭は二桁着順に沈むという結果になりました。
原因は何でしょう?
2年前の北海道胆振東備地震の影響という人もいますが、ならば他の牧場も影響があるのでは、と思ってしまいます(ノーザンファームが近いというのはあるでしょうけど)。
偶々だ、というふうに考えることは簡単です。実際、そうなのかもしれませんが。
でも、考えないといけない。競馬界でより強い馬をつくるには。
今回、ノーザンファーム以上に他の牧場が育成の努力をしたからなのか。なら、その努力は、上手くいった要因は、なんなのか。以前よりノーザンファーム以外の育成も勉強してかなり良くなったのは事実ですから、そこからブラッシュアップできるならすべきでしょうし。
ノーザンファームはノーザンファームで今回の総括をするでしょうし、そこから育成法を試すこともするでしょう。
ありきたりな結論ですが、答えはないんでしょうね。
競馬は常に勉強し続けないと。特に、技術が発達した現在では、勉強をやめたらすぐに置いてかれるんでしょう。
だから、ノーザンファームとか関係なく競馬界全体が切磋琢磨し合っていい馬づくりを求めないといけないんでしょう。
デアリングタクトに話を戻してみましょう。
牝系はデアリングダンジグということで、社台グループが導入したもの。出走成績は良くなかったものの、その血統を見込んでデアリングバードを購入した長谷川牧場さんの眼力は見事なものです。
さて、秋華賞の次は菊花賞。こちらも無敗で三冠に挑戦する馬が出ます。
コントレイル。この馬もノーザンファーム生産馬ではありませんね。
三冠達成となるか、それとも、他の馬が阻止するのか。
こちらも楽しみです。